hinyari9がおくるハイテンポシューティング・救国のスネジンカより、
zukio作曲、『Puppy』。チャレンジモードで流れます。
2.5Dドット絵のディストピア×美少女×タワーディフェンス系シューティングで知られる溶鉄のマルフーシャの続編にあたる本作。前作主人公の妹・スネジンカは、ボロボロになっても戦わされる姉を戦場から連れ戻すべく、自ら民間軍事企業ブルーピーコックに志願し、過酷で理不尽な100日間の戦いに身を投じることになる。前作の世界観やゲームシステムを踏襲しつつ、メインモードの分岐の多様化、武器の大幅増、カードまわりの仕様調整、書き下ろしBGMの追加など、よりリッチで独自性が光る数多くの新要素が加わっている。物語に沿って100日間を戦い抜くメインモードのほか、オンラインランキング対応で2種の防衛ミッションを何日間生き延びられるかを競うチャレンジモード、収集要素を自由に閲覧できるコレクション機能も搭載されている。前作以上のボリューム感で中毒性とリプレイ性のあるユニークなゲーム体験が楽しめる仕上がりとなっている。後にスイッチ、PS5、Xbox X|Sに移植された。
本作の音楽を担当するのはzukio氏。本名名義のMizuki Araiでも知られるフリーランスの作曲家である。CMやテレビ番組など広告音楽の分野で活動してきたが、近年になってゲームのアレンジや楽曲提供なども手がけている。前作のマルフーシャはフリー楽曲を使用していたが、本作ではオリジナルの書き下ろしBGMが用意されている。ディストピアSF系のハードでスピーディーなエレクトロニックサウンドを中心としつつ、ふとしたときにメロディーの美しさが映える繊細さがある。サウンドトラックはSteamのDLCとして配信されている。
チャレンジモードで流れるのがこの曲である。このモードではゲームオーバーになるまで延々と防衛に明け暮れることになる。そうしたなか、映画的な緊張感に満ちたストイックなイントロで始まり、10秒からストリングスを短く歯切れよく奏でてじわじわと焦燥を強めていく。20~30秒ではストリングスが一旦途絶える代わりに躍動的なビートで力強く牽引し、30秒以降でまたストリングスを交えて丸みと弾みのある電子音を鳴らす。50秒あたりには伴奏でスタイリッシュなピアノが聴こえるようになり、音が切れたり歪んだりするなかでも非常に鮮烈で流麗な印象を与える。ちょうど1分前後で一際ハードコアな間奏が入り、1分12秒から高速ピアノを皮切りに加速度的に盛り上がっていく。が、盛り上がった先でサビに繋がるかと思いきや、1分16~18秒で減速してあらためてクリーンなピアノフレーズを挟みながら勢いを整える。1分28秒から疾走感に満ちた旋律を披露し、一通り収束した1分38秒も疾走感を保って駆け抜けていく。2分6秒頃からすこし流れが変わって浮遊感のあるシンセを鳴らしつつテンションを蓄え、溜めに溜めて2分26秒から開放的なサビが待ち受ける。電子音、ピアノ、ストリングス、ビートがバランスよく組み合わさって心地良くもスリリングな響きを生み出している。2分46秒からの目まぐるしい伴奏、3分5秒から再びハードコアに転じていく曲調など、曲後半にかけても見せ場に事欠かない。延々と戦場で粘り続ける状況に誂え向きな一曲である。
こういう感じの曲を聴くとなんとなく自律神経が整うような気がします。たぶん。