任天堂がおくるアクションアドベンチャー・ルイージマンションより、
戸高一生作曲、『メインテーマ』。屋敷の探索時などで頻繁に流れます。
ゲームキューブのローンチタイトルにして、マリオシリーズのなかでも初のルイージが主役を務める本作。オバケ屋敷とは知らずに屋敷に踏み入ったルイージは、オバケを吸い込む掃除機の発明家であるオヤ・マー博士の助力を得ながら、先に屋敷に入ったきり行方不明となったマリオを探していく。オバケを吸い込むオバキュームと懐中電灯を駆使した直感的なアクションが特徴で、ホラーテイストながらお茶目な部分もある個性派揃いのオバケたちと対峙することになる。臆病者のルイージの反応の豊かさや、舞台となる屋敷のつくり込みの深さも相まって、ユニークなセンスが光る仕上がりとなっている。後に3DS向けにリメイクされた。
本作の音楽を担当するのは田中(現姓は永田)しのぶ氏と戸高一生氏。いずれも任天堂に所属する作曲家である。本作では、薄気味悪い世界観を表現するにあたって、サウンド面は主張のすくない雰囲気重視のつくりとなっている。掃除機を使用している場面とそうでない場面で微妙に曲が変わるなど、インタラクティブな試みがなされていて、曲数のすくなさを補う工夫が随所に散りばめられている。サウンドトラックは本作単体では発売されておらず、ルイージ生誕30周年記念盤のTHE YEAR OF LUIGIサウンドセレクションにて、一部の楽曲のみ収録されている。
屋敷を探索する際などに流れるメインテーマに相当するのがこの曲である。ずしんと重いストリングスやオルガンの音色に、不安定で音程が外れ気味な鼻歌を組み合わせることで、どこか気の抜けたようなコミカルさと、それとは別に紛れもない恐ろしさが入り混じっている。本来なら気分が好いときに歌うであろう鼻歌を、あえて暗いモチーフの本作で用いることによって、不思議と吸い込まれるようなアンビバレントな没入感を生み出す。メインテーマという性質上、作中で繰り返し聴くことになるが、何度聴いても独創的な魅力を味わわせてくれる一曲である。
なかなかキャッチーなメロディーなのでアレンジするとよく映えますね。スマブラXのアレンジ『ルイージマンションのテーマ』(編曲:酒井省吾さん)、それから続編の2も合わせたスマブラforのアレンジ『ルイージマンション シリーズメドレー』(編曲:川田宏行さん)もあわせてどうぞ。