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#212 『東京─試練は交錯する』(古代祐三/セブンスドラゴンIII code:VFD/3DS)

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セガがおくるRPGセブンスドラゴン3より、

古代祐三作曲、『東京─試練は交錯する』。

東京スカイタワーをはじめとする現代のダンジョンで流れます。

人とドラゴンの果てしなき闘争を描いたセブンスドラゴンシリーズのうち、無印から続く一連の物語の完結作として登場した本作。2100年の東京を舞台に、竜を狩る者としての才能を見出された主人公は、時代を超えて人類と竜の壮絶な戦いに身を投じることになる。ハードを3DSに移し、開発もイメージエポックからセガへと変更、それに伴ってスタッフまわりは大きく入れ替わったものの、基本的なシステムは従来通りで、新用途としてキャラメイクのバラエティが増加、バトルは1ユニット3人まで、最大で3ユニット9人分のパーティを編成できるようになった。終盤にかけて畳みかけるように二転三転する衝撃的なシナリオと相まって、シリーズ最終作にふさわしい仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは古代祐三氏とsasakure.UK(ささくれP)氏。このうち古代氏はシリーズ通して作曲を務めていて、ささくれPは2020以降、歌ものを提供している。おなじみの初音ミクによるDIVAモードこそないものの、Annabel氏、eufoniusriya氏、分島花音氏の三名を起用したボーカル曲は健在である。古代氏が担当するインストゥルメンタルの楽曲に関しては、三つの時代それぞれの独特な世界観を反映したバラエティ豊かなものが揃っている。サウンドトラックは主題歌や挿入歌も含めて収録されている。

西暦2100年の東京、すなわち現代(プレイヤーからすると近未来だが)におけるダンジョンで流れるのがこの曲である。序盤に訪れる東京スカイタワーや中盤の東京地下道、紅杭の塔など、ゲーム中で何度も耳にすることになる。落ち着きのあるエレクトロニックサウンドで、サビに至るまで同じフレーズを反復することで、徐々にゆっくりと盛り上げていく。1分半手前でブレイクすると、その解放感のある響きが、どんな困難にも果敢に立ち向かう主人公たちの勇姿を活き活きと表現する。そこから実に1分以上も粘り強くフレーズを繰り返し続け、2分35秒頃で収束すると、やがて静かにループへと向かう。全体的に落ち着いた曲調だが、確かなメリハリを感じさせる一曲である。

サントラのボーナストラックとしてTeddyLoidさんがリミックスしたボーカルアレンジが収録されていて、EDM感の強いクールな仕上がりになっています。『東京─試練は交錯する (TeddyLoid Remix) feat. Annabel』、あわせてどうぞ。

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