コナミがおくるホラーアドベンチャー・SILENT HILLより、
山岡晃作曲、2の『Theme of Laura』。オープニングで流れます。
じりじりと追いつめるような精神的恐怖を描いたホラーゲーム・サイレントヒルシリーズのナンバリング2作目にあたる本作。病死したはずの妻・メアリーから手紙を受け取ったジェイムスは、手紙に記された思い出の場所・サイレントヒルに向かい、深い霧と異形のクリーチャー、妻と瓜二つの女性・マリアと出会うことになる。見事なまでの繊細さを誇る愛憎入り混じる切ない物語が特徴で、心を蝕むような恐怖と狂気が蔓延した退廃的な世界観を隅々まで堪能できる。シリーズ最高傑作と名高い仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは山岡晃氏。当時コナミに所属していた作曲家で、なかでもサイレントヒルシリーズは氏にとっての代表作にあたる。また、映画化された際も氏は制作に携わっている。本作の楽曲は、登場人物同士の心情が複雑に絡み合った、文学的とまで評せられるシナリオにふさわしい、センチメンタルでメランコリックな曲調のものが多く揃っている。サウンドトラックは歌詞入りの曲も含めて収録されている。
オープニングで流れるのがこの曲である。曲名にあるローラは、ジェイムスがサイレントヒルで出会う幼い孤児の少女の名前で、物語に深く関わることになるが、この曲はその彼女のテーマ曲、ひいては本作全体のメインテーマである。優しいようでどこか残酷な響きを帯びたギターによる、哀愁たっぷりのメロディーラインが印象的で、深く沈み込むような感傷を誘う。周期的にビートを刻むパーカッションは、郷愁に似た悠遠な感情を呼び起こし、時折挿入される悲痛なストリングスの音色が、後退りできないこの世の生き辛さを象徴的に表現しているかのように響く。傷心に染み入るような一曲である。
アレンジ版の『Theme of Laura (Reprise)』はギターのかわりにピアノをフィーチャーした、これまた心に強く訴えかけてくる逸品なので、そちらもあわせてどうぞ。