コナミがおくる音楽シミュレーション・beatmania IIDXより、
L.E.D.こと角田利之作曲、16の『HYPERION』。収録曲の一つ。
DJ気分を楽しめるbeatmania IIDXシリーズのうち、ナンバリング16作目にあたる本作。テーマカラーは女帝(EMPRESS)をイメージした鮮やかなパールピンクで、全体的なデザインの刷新に加えて、HAZARDモードと呼ばれる新モードが追加された。クリアしてもしなくても4曲は保障されるが、コンボが切れたら即終了で次の曲に移るという熟練者向けの仕様である。また、EMPRESS PLACEという隠し楽曲群を解禁するにあたって、プレイに応じて獲得したジュエルを消費するシステムが採用されている。基本的なゲーム性はいつも通りだが、見目麗しい外観と尖った追加要素が備わった意欲作に仕上がっている。後にPS2に移植された。
本作では新旧あわせて500曲以上の楽曲が収録されていて、うち約50曲が本作初出である。削除された楽曲はやや多めだが、以前コナミに在籍していたSLAKE(藤井岳彦)氏の担当分を中心に復活した楽曲も一定数存在する。なかでもsubstreamの頃からシリーズに携わっているコナミ所属のL.E.D.こと角田利之氏は、本作でリミックス含め5曲ほど手がけている。サウンドトラックはオリジナル曲を軸にいくつかの楽曲のロングバージョンもあわせて収録されている。
デフォルトの収録曲として〈MORNING FULL ON〉というジャンルのもとにおさめられているのがこの曲である。モーニングフルオンはサイケデリックトランスの一種で、ジャンル名が示す通りのシンセ主体で独特な浮遊感と恍惚感が混ざり合った曲調に仕上がっている。爽やかだがすこし切なくもあるイントロで始まり、13秒頃からメインメロディーが参戦すると、しばらくの間は程よくノリの良い勢いを維持する。40秒あたりで機が熟して本格的に勢いづくと、シンセとドラムが激しく響き合って非常に刺激的な雰囲気を生み出す。徹頭徹尾、電子音楽らしい力強いグルーヴ感に満ちた一曲である。譜面に関してはやや癖のあるトリルが配置されている点が特徴である。