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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#1147 『雪どけは祭りとともに』(荒木茂・加藤裕介・北川保昌・三木彩子/がんばれゴエモン ~ネオ桃山幕府のおどり~/N64)

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コナミがおくるアクションアドベンチャーがんばれゴエモンより、

荒木茂加藤裕介・北川保昌・三木彩子作曲、ネオ桃山の『雪どけは祭りとともに』。

おまつり村で流れます。

コミカルな和風アクション・がんばれゴエモンシリーズのうち、ニンテンドウ64進出作にあたる本作。桃の形をしたUFOが上空に突如として現れ、謎のビームを噴射して大江戸城を改造してしまった珍事件に立ち向かうべく、ゴエモンは相棒のエビス丸とともに旅立つことになる。これまでの横スクロールから代わり、シリーズ初となる3Dを取り入れたアドベンチャー要素ありのアクションになった。主人公のゴエモンを含め、性能の異なる4人のキャラを使い分けながら進めていく。おなじみの日本各地を舞台にしたハチャメチャな世界観や、目玉となる巨大ボス戦は健在で、本作では歌劇をモチーフにした迫力のある演出を楽しむことができる。全体的に難易度が緩いが、ゴエモンならではの和風かつ軽快なノリが魅力的な仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは荒木茂氏、加藤裕介氏、北川保昌氏、三木彩子氏。いずれもおそらく当時コナミに所属していた作曲家で、三木氏を除く三名は後続のでろでろ道中でも引き続き作曲している。本作では癒し系の曲調から熱く華やかな曲調、さらには影山ヒロノブ氏や水木一郎氏といった著名な歌手を起用したボーカル曲に至るまで、東北から九州まで列島を周遊する旅を彩るバラエティ豊かなサウンドが揃っている。また、進行状況に応じて曲のパートが追加されていくなどのインタラクティブな要素を採用していて、総じて音楽全般に注力している姿勢が窺える。サウンドトラックにはアレンジやボーナストラックも含めて収録されているが、未収録曲もすくなくない。

おまつり村で流れるのがこの曲である。年中祭りに明け暮れているシリーズ恒例の陸奥の村で、本作では物語終盤にて雪が積もるなか訪れることになる。雪と月が映えるしんみりとした景色とは裏腹に陽気なムードが漂う独特な村を、和楽器を用いたまったりとした曲調で風情たっぷりに彩る。主旋律を務める笛の音は、どこか寒々とした寂寥感を帯びているものの、同時に心温まるような安らぎに満ちていて、切なくも優しい郷愁に浸らせてくれる。和楽器のほかに、低音のベースやパーカッションが絶妙に小気味良い興を添えていて、特に22秒頃から曲全体が勢いづくと、これまで以上にはっきりと拍を刻み、ますます心地良い印象を強める。1ループ34秒程度のこぢんまりとした尺のなかで、たちまちほっこりとした気分にさせてくれる一曲である。

この曲を紹介してほしいというリクエストをいただきました。心に染みますね。