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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#218 『ブラックピットのテーマ』(桜庭統/新・光神話 パルテナの鏡/3DS)

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ソラがおくるアクションシューティング・新パルテナの鏡より、

桜庭統作曲・光田康典編曲、『ブラックピットのテーマ』。6章の道中で流れます。

1986年にファミコンディスクシステム用に初代が発売されて以来、実に25年ぶりの新作として登場した本作。復活した冥府女王・メデューサを討つべく、光の女神・パルテナの親衛隊長である飛べない天使・ピットが、女神の力を借りて大空を翔けることになる。横スクロールアクションからサードパーソンのアクションシューティングに変え、3DSの性能を最大限に生かしたシンプルな操作性と、悪魔の釜システムにより非常に細かく調整できる難易度設定が特徴である。敵味方問わず間断なく愉快なく天界漫才が繰り広げられるなど、前作のコメディタッチな世界観は本作でも健在である。新しく生まれ変わったパルテナの世界を、初心者から上級者まで存分に楽しめる仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは岩垂徳行氏、古代祐三氏、桜庭統氏、高田雅史氏、光田康典氏の五名。さらに編曲のみで亀岡夏海氏と西隆宏氏が参加している。オーケストレーションは光田氏率いる音楽制作会社プロキオン・スタジオが請け負っている。ベテランの作曲家たちによる錚々たる顔ぶれで彩られる本作の音楽は、曲数の多さとクオリティの高さが両立していて、テンポの良いゲーム性に合致した小気味良さを誇る。サウンドトラックについては、クラブニンテンドー特典で一部楽曲を厳選して収録したサウンドセレクションと、隈なく収録した3枚組のオリジナルサントラが存在する。

ブラックピットのテーマとして流れるのがこの曲である。真実の魔鏡から誕生した、ピットと瓜二つの外見をした人物で、ときに対峙したり協力し合ったりする本作のライバルである。『6章 黒いピット』のうち、サビのメロディーラインを残しつつ尺を大幅に削ったアップテンポなアレンジである。派手なギターを中心に奏でられるメキシカンな曲調は、アンチヒーローの立ち位置にふさわしい激しさと気高さを併せ持つ。時折ドコドコと鳴るドラムマーチ風の音色が絡み合うことで、オリジナルとは決定的に異なる、ブラックピットならではの攻撃的な一面を表現している。華やかで力強く、それでいてどこか哀愁をも感じさせる一曲である。

この曲はそのままスマブラにも収録されていますね。『6章 黒いピット』のほうはギター成分は控えめですが、いかにも桜庭さんっぽい要素が満載です。あわせてどうぞ。

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