Bungieがおくるファーストパーソンシューティング・Haloより、
Martin O'Donnell・Michael Salvatori作曲、2の『Peril』。
Delta Haloなどのステージで流れます。
FPSというジャンルに革命をもたらしたHaloシリーズの第2作目として登場した本作。おなじみマスターチーフを主人公とした人類側の戦いに加え、敵であるコヴナント側のアービターを主人公とするシナリオも追加され、両陣営の視点から見た壮大な物語を楽しむことができる。前作よりもグラフィックがさらに強化され、小型のものであれば武器の両手持ちが可能になったり、仲間と武器を交換できたりするなど、全体的にシステムや操作性が向上している。後にPCに移植されたほか、10周年を記念してThe Masterchief Collectionのなかにリマスター版が収録されている。
本作の音楽を担当するのは主にMartin O'Donnell氏とMichael Salvatori氏。前作もタッグで作曲を務めた二人で、ともにアメリカ出身の作曲家である。このうちO'Donnell氏は当時Bungieに所属していたが、Salvatori氏は自身の会社を営みつつ協力する形で楽曲を提供した。本作は前作同様にハードSFらしいアンビエント寄りの楽曲がある一方で、主張の激しいロックやグランジ系の楽曲も多く、またそれとは対照的に伝統的なオーケストラサウンドも収録されているなど、多種多様な音楽を堪能することができる。一部の楽曲ではBreaking BenjaminやHoobastank、Incubusといったロックバンドがフィーチャーされている。サウンドトラックはVolume OneとTwoの二種類存在し、特にTwoのほうは組曲のようなメドレー形式で収録されている。
豊かな自然と古びた遺跡群に覆われたDelta Haloや、コヴナントの移動型惑星の首都High Charityなど、いくつかの場面で流れるのがこの曲である。弦を指ではじくピチカートをふんだんに用いることで、弓を使って伸び伸びと奏でるオーソドックスな奏法とは異なる軽快さを生み出している。伴奏は初めこそタンバリン主体だが、24秒頃で本格始動すると、あくまで弓を用いたストリングスのなだらかな重低音が響き渡る。1分過ぎにはさらに透き通るようなコーラスを加えることで、重厚かつ神秘的な緊張感を漂わせる。そのリズミカルな反復は、切迫した雰囲気を醸しつつ、ミニマルミュージック的な癒しの効果をもたらす。奇妙なほど安寧に満ちた聴き心地の良さを誇る一曲である。
曲名は危険、あるいは危機といったような意味ですが、なぜか落ち着く曲ですね。実際にゲームだと銃撃音が激しいので、いい感じに調和して危機感が出ます。