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#087 『ヘイ、たたかってるぜ!』(森彰彦/ミスティックアーク/SFC)

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プロデュースがおくるRPG・ミスティックアークより、

森彰彦作曲、『ヘイ、たたかってるぜ!』。中ボス戦で流れます。

ひょんなきっかけで異世界の神殿に連れ去られてフィギュアになってしまった主人公が、世界に散らばるアークと呼ばれる鍵を集めて、元いた世界への帰還を目指すという筋書きの本作。おとぎ話のような一風変わった世界観が持ち味で、道中で旅する七つの世界は、猫たちが戦争を繰り広げる砂の世界や大人のいない子供の世界など、いずれも癖のある独創的なラインナップとなっている。アークの力を使って装備品を強化したり、他のフィギュアに命を吹き込んでパーティメンバーに加えたりできるなど、斬新なシステムを採用していて、圧倒的な重厚感を誇るサウンドと相まって、意欲的な仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは故・森彰彦氏。当時、音楽制作会社ミントに所属していた作曲家で、本作発売の3年後に31歳の若さで逝去した。本作ではファンタジックな世界観にあわせて彩り豊かな楽曲が揃っているなか、とりわけ戦闘曲の熱量が凄まじいことに定評があり、その熱くエネルギッシュな曲調は、勝負の時を否応なしに盛り上げてくれる。サウンドトラックも発売されていて、楽曲の題名はいずれもかなり混沌とした奇天烈なネーミングセンスとなっている。

各世界の中ボス戦で流れるこの曲は、爆発力のあるスピーディーでアグレッシブなギターサウンドが特徴である。イントロからループまで終始ハイペースで奏でられるなか、後半の一部分で神殿の曲『母なる神の爾座』のメロディを違和感なく溶け込ませていて、荒ぶるギターとドラムに荘厳なコーラスを加えることで疾走感と幻想性を両立している。一切中弛みすることなく畳みかけるように展開していく躍動的な曲調は、一見奇妙に思えるノリノリな曲名とも存外マッチしている。力強い迫力に満ちた一曲である。

かっこよくて力がみなぎってきますね。『母なる神の爾座』と、あと文中で何気なく曲名を引用してしまった大ボス戦の『勝負の時』(同じく『母なる神の爾座』のフレーズを共有している)もあわせてどうぞ。

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