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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#1324 『戦うぞ! 愛の力を信じて』(波多野よしあき/愛戦士ニコル/FCD)

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コナミがおくるアクションアドベンチャー・愛戦士ニコルより、

波多野よしあき作曲、『戦うぞ! 愛の力を信じて』。ボス戦で流れます。

ファミコンディスクシステム向けの作品として登場した本作。遠い未来を舞台に、異次元空間移動装置を開発していた天才少年科学者・ニコルは、ダイラス星の独裁者・牛魔王に開発途中の装置とガールフレンドのステラを奪われたことをきっかけに、ダイラス星に乗り込んで未完の装置のパーツを集めつつステラ救出を目指すことになる。全7面構成のトップビュー型・ライフ制アクションアドベンチャーで、迷路のように入り組んだ各ステージにはそれぞれ3つのクリスタルダイヤモンドがあり、これを見つけ出すことで次の面へと進められる仕組みである。操作は8方向移動・ショット・ジャンプ・コスモボール(画面内の敵を一掃するボムのような必殺技)から成り、道中では移動速度上昇・ショットの威力強化・射程延伸・連射機能など様々なパワーアップアイテムを入手することができる。程よい謎解き要素、スコア稼ぎ、愉快なSF冒険活劇的な世界観など、全体を通して軽妙で遊びやすいバランスでまとまった仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは波多野よしあき氏。作中にはスタッフロールが存在しない都合上、発売後の一時期は作曲者不明だったが、サウンドトラック経由で氏が(とんまくんのパパ名義で)担当したことが明かされている。当時コナミに所属していた作曲家である。ディスクシステムの作品を担当するのは本作が初めてらしく、本作以前だとシューティングゲーム沙羅曼蛇/ライフフォースサウンドプログラムを手がけた経験がある。本作ではディスクシステムならではの表現力を活かしたメロディアスでキレの良い楽曲が揃っている。基本的には明るく元気だが、場面によっては不気味な曲調が用いられたり、愛を謳うだけあってエンディングは結婚を祝う幸福感あふれる雰囲気が漂っていたりする。サウンドトラックについては、コナミの往年の作品群とまとめて収録したもののほかに、本作単体でも各種デジタルストアで配信されている。

ボス戦(ラスボス戦含む)で流れるのがこの曲である。いかにもボス戦のシチュエーションに誂え向きな、速いテンポで細かく音色を敷き詰めたスリリングなナンバーである。息つく暇もなく押し寄せる怒涛の旋律と、高速かつ規則的に響くパーカッションの組み合わせが、強敵を前にして高鳴る鼓動と奮い立つ闘争心を見事に捉えている。6~11秒でリズミカルに高音と低音を行き来することで、粘り強い勢いを感じさせる。締めの12秒には急激に音階を駆け下って一区切りつけ、早くも繰り返しに入る。1ループ12秒でボス戦の昂揚感を余さず表現した一曲である。

曲の尺は短いけど曲名は割と長めですね。ちなみに他の曲名のネーミングセンスもそんな感じです。参考までに道中曲の一つ『戦えニコル、君は愛の戦士』もあわせてどうぞ。

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