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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#749 『西洋妖怪戦』(田村大輔・渡部陽子/ONI V 隠忍を継ぐ者/GB)

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パンドラボックスがおくるRPG・ONIより、

田村大輔・渡部陽子作曲、5の『西洋妖怪戦』(仮称)。

西洋妖怪との戦闘で流れます。

時代劇風の変身ヒーローRPG・ONIのナンバリング5作目として、シリーズ最後のゲームボーイ作品にあたる本作。自身に鬼神の血が宿るとも知らず平和に暮らしていた少年・琥金丸は、突如故郷の村を妖怪に襲撃されて母親を誘拐され、ONIの力に目覚めて母親を救う冒険に出ることになる。現代のみならず過去の世界をめぐって歴代の主人公が集結する熱いシナリオが特徴で、なかでも本作の主人公である琥金丸は三段階変身できる唯一無二の性能を誇る。また、おなじみの和の妖怪のみならず、ヴァンパイアといった西洋妖怪も本格的に登場するようになり、シリーズの集大成にふさわしいボリュームたっぷりの仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは田村大輔氏と渡部陽子氏。ともに当時パンドラボックスに所属していた作曲家である。このうち渡部氏は、西澤洋氏が単独で作曲した3を除き、ONIシリーズには初代から携わっているが、田村氏は本作がシリーズ初参戦である。本作でもGB音源を駆使した情熱的な楽曲は健在で、こと戦闘曲に関しては今までもっぱら通常戦闘・ボス戦・ラスボス戦の3種類だったが、西洋妖怪の登場に伴って新たに1種類追加された。サウンドトラックは未発売のため、曲名は便宜上の仮称とする。

くだんの西洋妖怪戦で流れるのがこの曲である。西洋妖怪といってもボス戦ではなくあくまで通常戦闘の延長線上にあるザコとの戦いに過ぎないが、和の世界にあって洋の敵が登場する異質さを表現するかのごとく、この曲はエネルギッシュなロックナンバーに仕上がっている。凄まじい勢いで矢継ぎ早に奏でられるダイナミックなメロディーラインは、一切失速することなくフルスピードでどこまでも突っ走っていき、1ループ50秒ほどの短さのなかにありったけの熱量を注ぎ込んでいる。見慣れぬ異国の妖怪との戦いをスリリングに彩ってくれる一曲である。

西洋妖怪が出現するのは物語後半にかけてのことで、普段と別の曲が流れることで、良い感じのアクセントになっていますね。ちなみに通常戦闘曲もかなり気合が入っています。あわせてどうぞ。

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