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#1167 『VSソルカ』(井上岳志・三武亜紗美・吉田孝志/妖怪三国志/3DS)

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レベルファイブコーエーテクモがおくるシミュレーション・妖怪三国志より、

井上岳志・三武亜紗美・吉田孝志作曲、『VSソルカ』。ソルカ戦で流れます。

レベルファイブRPG妖怪ウォッチシリーズとコーエーテクモの歴史シミュレーション・三國志を組み合わせたコラボ作品にあたる本作。図書館で見つけた不思議な本のなかに吸い込まれたジバニャンたちは、三国時代の武将の力を宿した武将妖怪に変身し、さくら国の統一のために戦うことになる。妖怪ウォッチらしい親しみやすくコミカルな作風と、三國志らしい歴史をベースにした国盗り要素が融合している点が特徴で、前者に寄せて各システムやゲームバランスは易しめに調整されている。戦闘はマス目上のマップでユニットを動かして進めるターン制で、ようじゅつやひっさつわざなど妖怪ウォッチ譲りのコマンドを用いて進めていく。移動先を提案してくれるおすすめ移動や、三国志のエピソードを丁寧に解説してくれるうんちくコーナーなど、ジャンルに馴染みがなくても遊べるような配慮が充実している。全体的にライトなつくりで、手軽に歴史モノを楽しめる仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは井上岳志氏、三武亜紗美氏、吉田孝志氏。オープニング(初代三國志の『桃園の誓い』のアレンジ)の原曲作曲に菅野よう子氏、編曲に西郷憲一郎氏も携わっている。井上氏と西郷氏はレベルファイブに、三武氏と吉田氏はコーエーテクモに所属する作曲家である。本作は妖怪ウォッチのノリと愛嬌のあるサウンド三國志の本格的なオーケストラサウンドを掛け合わせたユニークな楽曲が揃っている。また、一部妖怪ウォッチシリーズの過去作からのアレンジが含まれる。サウンドトラックは未発売だが、作中にBGMを鑑賞できるモードが存在する。

ソルカ戦で流れるのがこの曲である。双子の片割れである最終盤のボスで、炎を操る兄とは対照的に氷を得意とする。クライマックスのボス戦を彩るにあたって、イントロからストリングスを駆使して只ならぬ気迫が漂わせる。6秒頃で主旋律が入ると、ピアノとブラスが互いに同じメロディーを奏で合い、冷涼だが力強い印象を与える。30秒過ぎにはピアノと共にバイオリンが主旋律を担うようになり、元々悲愴感のある曲調がますますその色合いを強める。特に56秒からの間奏パートでは、笛や鼓をうまく用いて独特な焦燥感を滲ませる。とりわけ1分2秒~8秒でピアノがゆっくりと半音を上下することで、不穏だが心惹かれる響きを生む。以降は再び勇ましさを取り戻し、1分半あたりのサビではピアノもストリングスもブラスも一丸となって最上の盛り上がりを見せる。終盤のシチュエーションにぴったりな流麗で勇壮な一曲である。

兄のほうの戦闘曲『VSノルカ』も出色の出来栄えですし、両方のアレンジであるラスボス戦がまた素晴らしいので、二つともあわせてどうぞ。

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