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#1166 『キャンディ山』(石川淳/星のカービィ スーパーデラックス/SFC)

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HAL研究所がおくるアクション・星のカービィより、

石川淳作曲、スーパーデラックスの『キャンディ山』。キャンディ山などで流れます。

星のカービィシリーズのうち、外伝を除き初のスーファミ向けの作品として登場した本作。オムニバス形式で隠し含めて7つのゲームと2つのミニゲームが収録されている。チュートリアルと初代のリメイクを兼ね備えたモード、食べ物を取りながらゴールまで競争するレース風のモード、広大な洞窟で宝探しと脱出を目指すモードなど、それぞれ方向性の異なる遊びを短時間でさくっと楽しめる。協力プレイに対応している点が大きな特徴で、1Pカービィのコピー能力を受け継いだヘルパー(CPUもしくは2P)を呼び出して一緒に遊ぶことができる。セーブデータがかなり消えやすいことで知られるが、それを補って余りあるほど、どのモードも個性的で遊び甲斐のある仕上がりとなっている。後にDSにリメイクされたほか、Wii向けの20周年スペシャルコレクションの一環として収録された。

本作の音楽を担当するのは石川淳氏と宮川弾氏。宮川氏は当時、石川氏は現在もHAL研に所属する作曲家である。このうち石川氏はシリーズに初代から携わっているカービィサウンドの立役者だが、宮川氏は現時点で本作のみの参加である(在籍期間が短かったようで、カービィに限らずゲーム全般の担当作品が非常にすくない)。本作では明るくポップなサウンドを中心に据えつつ、多彩なゲーム性にあわせてオーケストラ風から変拍子を用いたシリアスなものまでバラエティ豊かな楽曲群が取り揃えられている。サウンドトラックについては本作単体のものは未発売だが、DS版の音源を収録したものがクラブニンテンドーの特典として配布されていた。

作物を荒らす怪鳥を退治するモード「白き翼ダイナブレイド」の4面にあたるキャンディ山や、喧嘩した太陽と月を仲直りさせるべく星々を巡るモード「銀河にねがいを」に登場する惑星・スカイハイなどで流れるのがこの曲である。ハイテンポで音階を行き来する特徴的なイントロで始まり、5秒頃から主旋律が入ると非常に陽気で快活な雰囲気を生む。愛嬌のある音色が速いペースで矢継ぎ早に奏でられるさまは、さながらジェットコースターのような目まぐるしい印象を与える。16秒、27秒、35秒などで主旋律を担う音色が都度交代することで、小気味良い勢いを保ち続ける。とりわけ46秒以降の派手やかなラッパのメロディーは、持ち前の愉快さを引き出して底抜けに明るく響き渡る。聴いているだけで思わず頬が緩むようなご機嫌な一曲である。

いかにもカービィらしい曲ですよね。DS版の音源は原曲をほぼ再現している感じです。あわせてどうぞ。

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