コナミがおくるシューティング・アクスレイより、
工藤太郎作曲、『Colony』。2面道中で流れます。
コナミ謹製のスーファミ用シューティングとして登場した本作。闇の帝国との交戦による被害が深刻化するなか、イーリス恒星系の防衛軍は極秘裏に開発した戦闘機・アクスレイに希望を託すことになる。全6面で残機制、縦スクロール面と横スクロール面を交互に進めるハイブリッドなゲーム性が特徴で、計8種類の武装をポッド・サイド・ベイの3箇所に装備し、攻撃手段を切り替えながら攻略していく。被弾した場合はまず武器を失い、武器がない状態で再び被弾するとミスになるが、ミスすると自機の爆発による強力な攻撃判定がついたうえで武器を取り戻してその場で復活する（ミスが必ずしもデメリットにならない）ことから、ピンチの際の立ち回りに戦略性を見出すことができる。パワーアップアイテム等がまったく登場しない独自路線と、立体感のある凝った演出が印象的な仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのはTAROこと工藤太郎氏。1曲のみÄKIこと荘司朗氏が作曲しているほか、同じく1曲のみM.C. ADAこと安達昌宣氏が編曲している。いずれも当時コナミ矩形波倶楽部に所属していた作曲家である。本作では渋さのなかに情熱を秘めた楽曲群が揃っている。ボス戦は共通のものではなく各ステージごとに書き下ろされていて、直前の道中で流れる楽曲をすこし毛色を変えてアレンジしている。サウンドトラックについては、通常盤のほか、最近になってデジタル配信もされている。
2面道中で流れるのがこの曲である。スペースコロニーに突入する横スクロール面で、はじめは残骸の散らばる宇宙空間を、コロニーに入ってからは機械がひしめく空間を進んでいく。そうした場面を彩るにあたって、管楽器の不穏な重低音で始まり、ピコピコと怪しげな高音が鳴ることで、徐々に緊張感を高めていく。主旋律が入る直前、11～14秒あたりで一呼吸置くと、次いで奏でられるメロディーがしっかりと耳に馴染む。勇ましいがすこし抑え気味なテンションでしばらく進行したのち、1分18秒頃のサビで神秘的なコーラスを伴って音階を自在に上り下りすることで、ようやく開放的な盛り上がりを見せる。メリハリの効いた曲調で心地良い渋味を感じさせる一曲である。
ずっと基地内部かと思いきや、途中で遠景にぱっと青い惑星が映るシーンがあって、それがとても綺麗なんですよね。ちなみに2面のボス戦で流れる『Cosmic Dance!』（安達さん編曲）は、開放的な部分を削って怪しさ全開なアレンジです。あわせてどうぞ。
