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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#417 『5.1.1.』(dj nagureo/beatmania IIDX/AC)

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コナミがおくる次世代DJシミュレーション・beatmania IIDXより、

dj nagureo作曲、初代の『5.1.1.』。収録曲の一つ。

5つの鍵盤を操るbeatmaniaの派生作として、ボタンを2つ追加し、エフェクトフェーダーを搭載した本作。現在まで続くbemaniIIDXシリーズの記念すべき第1作であり、7鍵盤になったことでさらに多彩な楽器演奏の感覚を楽しめるようになった。鍵盤数を制限した4KEYモードや5KEYモードなどの緩めの難易度でプレイすることも可能である。大型の40インチモニターが魅せる最先端のビジュアルパフォーマンスが特徴で、以降の作品の方向性を確立するのに大きく貢献した仕上がりとなっている。

本作の収録曲はぜんぶで32曲。このうち4曲が版権、10曲がbemaniシリーズからの移植、残りの18曲がコナミオリジナルとなっている。楽曲ごとにジャンル名が用意されている点は今も昔も変わらず、ポップやロックはもちろんのこと、テクノやアンビエント、レゲエにヒップホップなど、ジャンル横断的な作風が魅力的である。bemaniシリーズの企画の段階から携わっていたdj nagureoこと南雲玲生氏は本作でも引き続き参加していて、本作以降もしばらく楽曲提供し続けることになる。サウンドトラックはコナミオリジナルの楽曲について、ボーナストラックとして一部ロング尺のものも含めて収録されている。

〈PIANO AMBIENT〉というジャンルにおさめられたこの曲は、『GRADIUSTIC CYBER』や『R3』とともに初代から現行シリーズまで一度も削除されずに収録され続けている、本シリーズの代表曲である。難易度が最も易しいレベル1に設定されていることから、比較的選曲しやすい立ち位置にあり、BPMは101とそれなりに緩やかな落ち着いた速度となっている。無機質な機械音の上を感性豊かなピアノの旋律が走り抜けることで、アンビエント特有の理知的な雰囲気を醸し出し、そこにリズムを刻むタンバリンの音色が周期的に響くことで、音ゲーらしい煌びやかな陽気さにもあふれている。プレイ中に表示される抽象的な実写映像もまた、この曲の独特な味わい深さに花を添えている。

一日遅れですが弐寺20周年おめでとうございます(※記事執筆時)。せっかくなら曲名と絡めて5月11日か511曲目に紹介したかった気もしますが、忘れなければ588曲目に姉妹曲の『5.8.8.』を紹介します。

※宣言通り紹介しました。

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