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#783 『新米冒険者の宿舎(前半)』(緒方優・葛目将也・関美奈子・三宅大輔/ベアルファレス/PS)

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ZealsoftがおくるアクションRPGベアルファレスより、

緒方優・葛目将也・関美奈子・三宅大輔作曲、

『新米冒険者の宿舎(前半)』(仮称)。三節までの新米冒険者の宿舎で流れます。

PSの末期、PS2がすでに発売されたなかで登場した本作。大地震により出現した伝説の古代都市アスラ・ファエルを舞台に、冒険者たちは魔物が徘徊する地下遺跡へと挑むことになる。主人公は遺跡近郊の町にやってきた新米冒険者として、はじめに性別・出身地・身分・冒険の目的をキャラメイクで決定し、それに応じて使用武器や仲間となるキャラとの相性、初期の能力値などに影響する仕組みとなっている。仲間はぜんぶで13人いて、3人パーティを組んでダンジョンに挑み、ダンジョン内のギミックによる謎解きはもちろん、自らトラップを仕掛けることで戦闘や探索を有利に進めていく。特筆すべきは13人それぞれとの個別エンディングが存在し、最終的にはパートナーとして物語を終えられる、ある種の恋愛シミュレーション的な要素を併せ持っている点で、行動次第でイベントも台詞もシナリオも変化する自由度の高さが堪能できる。細部まで丁寧につくり込まれた仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは緒方優氏、葛目将也氏、関美奈子氏、三宅大輔氏の四名。このうち緒方氏は作曲のみならず効果音も兼任しているほか、葛目氏はプランナーやシナリオライターとしても参加している。葛目氏を除くメンバーは、同じくSCE(本作の発売元)の作品として、前年のどこでもいっしょに携わった経験があり、SCE馴染みの作曲家と言える。本作では正統派なファンタジーにふさわしいオーケストラ風のサウンドが多く、非常に良質で表情豊かな楽曲が揃っている。サウンドトラックは未発売のため、曲名は便宜上の仮称とする。

新米冒険者の宿舎とは、その名の通り冒険者たちの拠点のことであり、休憩したり記録したり、はたまた仲間をパーティに勧誘したりすることができる憩いの場だが、そこで流れるのがこの曲である。物語の転換期を迎える四節以降は別の曲が用いられるが、ひとまず前半の間はこの曲が流れ、柔らかなギターの伴奏と爽やかなフルートの調べが、極上の癒しをもたらす。さらにそこに清涼感のあるストリングスが加わることで、瑞々しい雰囲気にいっそう磨きをかけ、束の間の休息を取りつつ、今後の冒険への期待感を高めてくれる。一休みしたらまた頑張ろう、という思いを気持ちよく後押しするような一曲である。

後半は同じ宿舎でも、ギターがアコースティックからエレキに代わって、コーラスやサックスの入ったスタイリッシュなナンバーに一変します。癒しという感じではなくなりますが、力強い決意が滲むような、かなりお洒落で格好良い仕上がりです。あわせてお聴きください。

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