岩垂徳行作曲、3の『追求 ～とっつかまえて』。
裁判パートで犯人を追い詰めるときなどのクライマックスシーンで流れます。
癖のある個性的な犯人たちを、尋問や証拠のつきつけを通して裁判で化けの皮を剥がす法廷バトルで知られる逆転裁判シリーズのうち、ナンバリング3作目にあたる本作。弁護士の成歩堂龍一は、助手で霊媒師の少女・綾里真宵とともに難事件に立ち向かううち、やがては綾里一家の存続をめぐる問題に踏み込むことになる。成歩堂龍一を主人公とする初期の三部作の最終作として、今まで以上に霊媒の能力（霊媒師の身体に死者を一時的に憑依させるもので、殺人事件のトリックに使用されたり、法廷の証人として証言してもらったりする）に焦点を当てた、浮世離れしつつもシリアスな重みが増した仕上がりとなっている。後にWiiをはじめとする複数機種に移植された。
本作の音楽を担当するのは岩垂徳行氏。音楽制作会社ツーファイブに所属する作曲家で、逆裁シリーズには本作で初めて参加して以降、外伝の逆転検事を含め、たびたび携わることになる。本作では独特なユーモアとペーソスが入り混じったシリーズおなじみの作風を踏襲しつつ、シナリオの重厚さを加味した暗めの曲調が多く揃っている。サウンドトラックは原作のGBA版音源のもの以外にも、Wii版の音源を収録したものが発売されている。
裁判の大詰めを迎えた際に流れ出すのがこの曲である。緊張感あふれる旋律の背景に、荘厳な鐘の音やアクセントの効いたオーケストラヒット、パワフルなスネアドラムなどが多用され、歴代の追求BGMのなかでも一際シリアスで厳めしい印象を与える。ぐいぐいと前のめりで展開する情熱的なメロディーラインに加えて、その後ろで電子音が絶えず小刻みに震えるように響くことで、いっそう音に厚みを持たせている。畳みかけるように進行する怒涛の裁判シーンに鮮やかに興を添える一曲である。
動画にある犯人のブレイクシーンは見ていて楽しいですね。
