ウルフチームとナムコがおくるRPG・テイルズオブファンタジアより、
田村信二作曲、PS版の『FIGHTING OF THE SPIRIT』。精霊との戦闘で流れます。
テイルズシリーズの記念すべき最初の作品として登場したTOP(スーファミ)のPS版リメイクにあたる本作。突如故郷の村を襲われた挙句に投獄された剣士の少年・クレスは、地下牢で出会った法術師の少女・ミントとともに脱獄、やがて仲間たちと時空を越え、世界の命運を変える冒険に旅立つことになる。原作では今でこそおなじみのリニアモーションバトルシステムが初登場し、RPGでありがらもアクション性の高い独創的な戦闘システムを確立したほか、リメイクに際して大きくゲームバランスを調整し、キャラの追加やシナリオの加筆修正など、全般的にアレンジが施されている。PS以外にもGBAやPSP、アプリ向けに移植されている。
本作の音楽を担当するのは桜庭統氏、田村信二氏、古屋亮太氏の三名。いずれも当時ウルフチームに所属していた作曲家である。このうち桜庭氏と田村氏は後のシリーズでも連綿と携わることになる。戦闘曲だけでもだいぶ種類があるなど、楽曲数が充実していて、何度もリメイクされているため、機種間で音源が違うどころか旋律自体も一部異なっている例がある。サウンドトラックはPS版の音源にアレンジを加えたものと、原作(スーファミ)・PS版・GBA版の各音源を一括収録した20thアニバーサリーサウンドBOXが存在する。
各地にいる精霊と契約して力を得るために避けては通れぬ、精霊とのボスバトルで流れるのがこの曲である。昂揚感あふれる直球勝負なメロディーラインが特徴で、前述の通り原曲のスーファミ版とは音源のみならず旋律も異なる部分がある。原曲はより電子音に近い、重厚なサウンドになっているが、PS版と比べてパーカッションが相対的に軽めに設定されていて、エレクトリックでありつつ、精霊戦という幻想的な雰囲気が十二分に表現されている。対するこのPS版は軽快なサウンドに周期的に展開されるパーカッションが魅力的で、歌モノを彷彿させる王道な戦闘曲という印象が強まっている。
GBA版はハード特有の可愛くてポップなサウンドに、SFC版に寄せた重さがあって、携帯機音源でありながらも、なかなか良い出来栄えです。SFC版(上)とGBA版(下)、あわせてどうぞ。