ジャレコがおくるシューティング・E.D.F.より、
多和田吏作曲・高芝泰彦編曲、スーパーの『ARMED SATELLITE』。
最終面で流れます。
ジャレコのアーケード用横スクロールシューティング・E.D.F.のスーファミ移植版として登場した本作。国家間の枠組みを越えた地球統合の実現が迫るなか、突如として謎の組織・アギーマ帝国から地球壊滅計画を予告されたことを受け、地球防衛軍は特殊機動戦闘機・XA-1を配備して脅威に立ち向かうことになる。全6面構成、スタンダードな操作性にRPGライクな経験値の概念を取り入れたパワーアップシステムが特徴で、移植に際して一部のステージ構成が変更され、武器の数が倍増して計8種類から選べるようになった。総じて堅実なつくりで、後にバーチャルコンソール等で配信された。
本作の音楽を担当するのはY."ZEP".TAKASHIBA(高芝泰彦氏)と多和田吏氏。多和田氏は原作のアーケード版の担当者で、当時ジャレコに所属していた高芝氏はスーファミ用の編曲と追加曲の作曲を手がけている。本作は両名にとってだいぶ初期の担当作品で、SFらしい煌びやかでメロディアスな楽曲が揃っている。スーファミ版でも音色の美しさは健在で、音源の違いにより、原曲と比べてやや丸みを帯びた幻想的な雰囲気に仕上がっている。サウンドトラックは同時期のジャレコ製の作品とともに、アーケード音源を収録したものとスーファミ音源のものがそれぞれ発売されている。
最終面である6面の道中と中ボス戦で流れるのがこの曲である。敵の本拠地と思しき機械仕掛けの要塞内部に突入し、最後の戦いに挑むシチュエーションを、シンプルなメロディーの反復で始まるイントロで昂揚感たっぷりに彩る。一連のフレーズが明ける20秒からは、こぢんまりとしつつも耳馴染みするキャッチーな旋律が紡がれ、静かに闘志を駆り立ててくれる。44秒以降、主旋律の後ろで響く伸びやかな裏メロにより、いっそう躍動的な勇ましさを生み出し、ステージ曲としてだけでなく戦闘曲としても申し分のない格好良さを誇る。なお、スーファミ版は原曲より半音だけ音程が上がっていて、金属っぽさが薄れた一方で、柔らかな高音が映える仕上がりとなっている。
おすすめしていただいた曲をリクエストという形で紹介しています。原曲もまた素晴らしくて、ピコピコ鳴る電子音がとても心地良いです。原曲の『ARMED SATELLITE』、あわせてどうぞ。