多和田吏作曲、『シャドーのラボ』（仮称）。シャドーのラボで流れます。
ポケモンシリーズの外伝として登場したコロシアムの続編にあたる本作。前作の5年後を舞台に、ポケモン総合研究所に暮らす主人公の少年は、研究者だった亡き父から受け継いだイーブイとともに、何者かによって戦闘マシンへと変えられたダークポケモンたちを救済することになる。ストーリー面では前作同様のややダークな世界観を踏襲しつつ、アングラ感が薄れて王道寄りに調整されている。本家シリーズでは覚えない特殊な技を使えるポケモンを入手できる点が特徴で、捕まえたポケモンは本家（GBAの各作品）と連動して交換したり対戦したりすることができる。また、前作と比べてグラフィックが強化されたほか、登場するダークポケモンの数も増加した。大味ながらも独自の魅力を持つ仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは多和田吏氏。ジニアス・ソノリティの設立者の一人で、前作から引き続き作曲している。前作と同じく本作においても本家とは一味異なるユニークな楽曲群が揃っていて、パワフルな戦闘曲はもちろん、本格的なジャズやテクノまで幅広いサウンドを楽しめる。また、一部の楽曲は前作のアレンジで、基本的に大きな変化はないが音の質感や響きに若干差異がある。サウンドトラックは未発売のため、曲名は便宜上の仮称とする。
シャドーのラボで流れるのがこの曲である。前作ではダークポケモン研究所という名称で登場した悪の組織の施設で、5年の歳月を経てやや寂れてしまったものの、相変わらず不埒な輩がたむろしている。前作で使用されていた曲（正式曲名は不明だが、便宜上『ダークポケモン研究所』とする）の微アレンジで、メロディーや楽器構成といった主要な部分は共通しているが、音の感触がすこし変わって、よりカラッとした響きを持つようになった。洒落た曲調はそのままに、ピアノ・ドラム・電子オルガン・ハーモニカ、いずれも原曲より軽快で表現力豊かな印象を与える。原曲の時点でセンスあふれるジャジーな出来栄えだったが、さりげなく微調整されたことで一段と魅力が増した一曲である。
痺れるようなセンスの良さですね。原曲の『ダークポケモン研究所』もあわせてどうぞ。
