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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#058 『友よ』(近藤嶺/ベヨネッタ/X360・PS3)

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プラチナゲームズがおくる∞クライマックスアクション・ベヨネッタより、

近藤嶺作曲、『友よ』。ラストバトル直前のバイクステージで流れます。

デビルメイクライシリーズなどで知られる神谷英樹氏がディレクターを務める本作。人間界・魔界・天界が入り混じる中世ヨーロッパを舞台に、記憶喪失の魔女・ベヨネッタは華麗に天使を狩りながら自身の記憶を取り戻していくことになる。さながら洋画のような大胆なゲーム性と、色気たっぷりのベヨネッタをはじめとするセクシーでダンディーなキャラクターが特徴である。両手両足に装備した武器や体術を駆使して片っ端から天使を屠るアクションは非常に爽快で、ダークファンタジー調の世界観ながらもネタやパロディ方面が充実している。アクションもシナリオも吹っ切れたノリの良さを誇る愉快な仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは泉谷隆洋氏、上田雅美氏、川口博史(Hiro)氏、近藤嶺氏、鈴木克崇氏、袖岡隆泰氏、田中直人氏、丹羽映里納氏、日比野則彦氏、山口裕史氏。編曲のみで福山光晴氏も参加している。このうち上田氏、丹羽氏、山口氏は当時プラチナゲームズに所属していたか現在もしている作曲家で、泉谷氏、鈴木氏、日比野氏は音楽制作会社ジェム・インパクト(現在は社名変更して日比野音療研究所)に、近藤氏は音楽制作会社T's MUSICに所属する作曲家である。本作では上記の作曲陣が作曲したものに加え、ジャズの往年の名曲『Fly Me To The Moon』を本作用にアレンジ(『Fly Me To The Moon (∞ Climax Mix)』)して戦闘曲として起用するなど、意欲的な挑戦を試みている。サウンドトラックは5枚組の大ボリュームで発売されている。

最終ステージでは、ベヨネッタの前に幾度も立ちはだかった赤いボディースーツ姿の魔女・ジャンヌを、満を持してプレイヤーが操作するという展開が待ち受けるが、そのジャンヌがバイクを巧みに操るシーンで流れるのがこの曲である。物語のクライマックスに向けてひた走る様子を、突き刺すようなピアノが印象的なスリリングな電子音楽調で彩る。ピアノはもちろんのこと、ストリングスやクワイアなどの威風堂々たる伴奏も力強い勢いにあふれていて、すべての音色が一丸となってスタイリッシュでクールな旋律を奏でる。全編を通して刺激的な疾走感に満ちた一曲である。

2でも馬のようなものに乗るステージで流れますね。記事のなかで名前が出ましたので、『Fly Me To The Moon (∞ Climax Mix)』(作曲はBart Howardさん、編曲は山口さん)もあわせてどうぞ。

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