スクウェアがおくるRPG・ファイナルファンタジーより、
植松伸夫作曲、8の『The Man with the Machine Gun』。
ラグナ編における通常戦闘で流れます。
ファイナルファンタジーシリーズのうち、ナンバリング8作目として登場した本作。兵士養成学校に通う一匹狼の青年・スコールは、特殊部隊SeeDへの昇格と、レジスタンスの少女・リノアとの出会いを通じて、自らの生き様を見つめ直すとともに世界に迫る危機に立ち向かうことになる。MPや召喚獣といった従来のシステムから一転、ガーディアンフォースなる技術を組み合わせてキャラクターをカスタマイズするジャンクションシステムが導入されていて、魔法も個数制限のあるストック制に変更されるなど、かなり型破りな仕組みとなっている。愛と青春をテーマにしたシナリオや、随所で奥深い対戦を楽しめる寄り道要素のカードゲームも大きな特徴で、シリーズのなかでも屈指の独自性を持つ意欲作に仕上がっている。後にPS4、スイッチ、XboxOne、PC、アプリ向けにリマスター版が登場した。
本作の作曲を担当するのは植松伸夫氏。当時スクウェアに所属していたおなじみの作曲家で、FFシリーズには黎明期から携わっている。本作ではシリーズ初のボーカル入り主題歌や生オーケストラ音源を採用していて、音楽面においても今までにない試みをおこなっている。サウンドトラックはオリジナルのもののほか、映像付きのリバイバルディスクやオーケストラアレンジ、ピアノアレンジ盤なども存在する。
本作のもう一人の主人公であるラグナは、スコールの夢のなかに登場するマシンガン使いの剽軽な男性であるが、その彼を操作するラグナ編における通常戦闘曲として流れるのがこの曲である。ラグナのおっちょこちょいな性格とは裏腹に、徹底的に洗練されたクールなテクノ調となっていて、お調子者でありながら芯の通ったカリスマ性を持つ彼にふさわしい力強さにあふれている。エレクトロニックな音使いと、細かく繰り返されるベースのリフは、深みのあるオーケストラを主軸に据えたスコール編の戦闘曲『Don't Be Afraid』とは対照的に、小気味良い疾走感を前面に出している。通常戦闘ならではの軽やかな昂揚感に満ちた一曲である。
『Don't Be Afraid』もあわせてどうぞ。
