ソラとバンナムがおくるオールスターアクション・大乱闘スマッシュブラザーズより、
景山将太作曲・下村陽子編曲、forの『10ばんどうろ』。
原曲はポケットモンスターブラック・ホワイトの『10番道路』で、
カロスポケモンリーグなどのステージで流れます。
古今東西いろんなゲームからファイターたちが一堂に会するスマブラシリーズのうち、先んじて発売された3DS版とあわせてシリーズ4作目と5作目にあたる本作。基本的には同一の内容だが、3DS版では小さい画面でも遊びやすく、WiiU版では大きい画面で迫力満点なグラフィックを堪能できるように調整されている。特にWiiU版は最大8人による同時対戦が可能となっていて、3DS版とは異なるラインナップのステージやゲームモードが用意されている。有料DLCとして発売後もキャラやステージが追加され、総じてオンラインの環境やマルチプラットフォームの特性を活かした仕上がりとなっている。
本作の音楽は、小林啓樹氏や中鶴潤一氏らバンダイナムコスタジオの作曲家を筆頭に、所属を問わず実に50名以上の作曲家たちが、総曲数400を超える量の楽曲を作編曲している。このうち本作オリジナルのメニューや戦場の楽曲に関してはバンナムの作曲家陣が手がけているが、それ以外のステージ曲については様々な作曲家たちが互いに編曲し合っている。本作では標準の対戦ルールにおける制限時間である2分を目安に、概ね2分間でしっかりメリハリをつけてループするように仕上がっているものが多い。サウンドトラックは非売品だが、3DS版とWiiU版を両方購入した際の特典として頒布された。
3DS版にはないが、WiiU版限定のステージとして登場するカロスポケモンリーグにて流れるのがこの曲である。シンプルな円形ステージだが、原作の要素を反映して足場や床が一定間隔で変化したり、ときには伝説のポケモンが乱入したりするなどの特殊な仕掛けに満ちている。そうしたギミック豊かなステージを彩るにあたって、元々ドラマチックな色合いの強い原曲をスリリングにアレンジしている。原曲よりもアップテンポになり、アコーディオンやカスタネット、フィドルなど、情熱的な民族楽器の揃い踏みとも言うべき楽器構成になっている。中盤の54秒頃ではギターによる即興風の新パートが追加され、終盤にかけて舞い上がるような弦の高音を用いることで、軽快かつ重厚なメリハリを感じさせる。2分弱の曲尺のなかで熱気あふれる乱闘気分を見事に凝縮した一曲である。
景山さんと下村さんで作編曲とは、夢のようなアレンジです。以前紹介した原曲の記事も、よろしければあわせてお読みください。