サンソフトがおくる2D横スクロールアクション・ラフワールドより、
小高直樹作曲、『タイトル』。タイトル画面で流れます。
ファミコン末期、三か月後にスーファミの発売が控えている時期にサンソフトから登場した本作。人類が宇宙に進出した時代を舞台に、シリウス星系でのコロニー開発計画、シリウス・プロジェクトの一員である主人公・ジェイは、爆破事故で失った父の遺言にしたがって、プロジェクトの成功を脅かす怨敵に挑むことになる。当初、映画「ターミネーター」のゲーム化作品として開発された経緯があり、ところどころターミネーターの面影を感じさせる、荒廃したSFチックな世界観が特徴である。全5面、ステージクリア型の横スクロールアクションで、エネルギー制で使用制限がある計6種類の武器(ただし初期装備のハンドガンのみ無制限)を使いこなして攻略していく。敵の配置やエネルギーの管理など、全体的に高難度ながらも優れたバランスが保たれていて、渋さが光る仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのはN.KODAKAこと小高直樹氏。1980年代後半から90年代にかけてサンソフトの作品で多く作曲していた作曲家である。また、作曲担当の小高氏以外にもサウンドプログラミング等を務めるMUSIC STAFFとしてABOUT.SS(瀬谷辰宇)氏、MABOCHAN氏、MARUMO(諸田直久)氏、NOBUYUKI(原伸幸)氏がクレジットされている。本作の音楽は拡張音源を使用せず内蔵音源だけで構成されている一方で、サンソフト製の例に漏れず、およそファミコンから発せられるサウンドとは思えない逸品が揃っている。サウンドトラックは同時期に発売された作品の楽曲とあわせたサウンドコレクション2種に収録されている。
タイトル画面で流れるのがこの曲である。小気味良いパーカッションに疾走感あふれるメロディーラインが重なっていて、持ち前のテンポ感による軽快さと、差分PCM音源をうまく活用したことによる重厚さが見事に両立している。サビの伸びやかな旋律と、そのあとに続く緊迫感に満ちた音使いは、本作の絶妙な味わい深さを表現している。ゲーム開始を大きく盛り上げてくれる一曲である。
ループ直前に高音で締めくくる部分がまた良いですね。1面兼最終面の曲と並んで好きな曲です。『ステージ1、ファイナルステージ』(サントラの表記によっては『ステージ 1 / ファイナルステージ』)もあわせてどうぞ。