Frozenbyteがおくる謎解き2Dアクション・Trineより、
Ari Pulkkinen作曲、2の『Trine 2 Main Theme』。メインテーマとして流れます。
魔法使いと騎士と盗賊の三人を切り替えながらファンタジー世界を旅する横スクロールアクション・Trineシリーズの2作目にあたる本作。Trineと呼ばれる魂を結ぶ秘宝によって運命を共にする魔法使いのAmadeus、騎士のPontius、盗賊のZoyaは、森深くに潜む滅亡した王国をめぐって冒険することになる。前作同様、おとぎ話の世界に入り込んだような幻想的なグラフィックと、適度に歯応えのあるパズル要素が特徴である。本作から三人のレベルが共有ではなく個別に設けられるようになったほか、敵やスキルの種類が増加し、アクション性に磨きがかかった。オンラインを用いた協力プレイも充実していて、前作の魅力を律義に踏襲した手堅い仕上がりとなっている。後にWiiUやPS4などに移植され、「三つの力と不可思議の森」という題で日本語化されている。
本作の音楽を担当するのはAri Pulkkinen氏。フィンランド出身の作曲家で、本作の開発元であるFrozenbyteにも一時期所属していたことがある。本作含めTrineシリーズでは単独で全曲を作曲している。本作の楽曲は壮麗なファンタジックワールドを彩る良曲揃いで、いずれも幻想的で圧倒的な没入感を誇る。サウンドトラックはSteamのDLCや氏の公式サイトのAriTunesで発売されていて、後者にはオーケストラアレンジされたボーナストラックも含まれる。
メインテーマとして流れるのがこの曲である。ハープとストリングスとフルートの素朴なアンサンブルから始まり、しなやかな旋律が展開していくにつれて、徐々に楽器の数を増やしてサビに備える。1分10秒あたりで役者が揃うと、今までと同じフレーズの繰り返しでありながらも、荘厳なコーラスや派手なパーカッションによる相乗効果で、今までにない魔術的な奥深さを目一杯漂わせて絶頂の盛り上がりを見せる。ひとたび峠を越えると、民族音楽特有の静けさをもってやがておもむろに収束する。本作の雰囲気を最も如実に表現した一曲である。
オーケストラアレンジも一興で、ファンタジーここに極まれり、というような印象です。あわせてどうぞ。