VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#641 『Crystal Mountain』(Ari Pulkkinen/Nex Machina/PS4・PC)

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Housemarqueがおくるツインスティックシューター・Nex Machinaより、

Ari Pulkkinen作曲、『Crystal Mountain』。ワールド2の道中で流れます。

Resogunなどで知られるフィンランドデベロッパー・Housemarqueによるアーケードスタイルの見下ろし型全方位シューティングとして登場した本作。科学技術に依存し切った人類に反旗を翻すロボットたちの暴挙を食い止めるべく、個性豊かな6つのワールドを攻略していくことになる。往年のアーケードシューティングを彷彿させる操作性が特徴で、ハイスピードなアクションとダイナミックなビジュアルエフェクト、陰影に富んだ魔術的なグラフィックとが相まって、懐かしくも新しい抜群の爽快感をもたらしてくれる。人助けやビーコンの破壊など、道中の稼ぎ要素も充実していて、総じて手堅くまとまった仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのはHarry Krueger氏、Tuomas Nikkinen氏、Ari Pulkkinen氏の三名。Krueger氏はHousemarqueに所属するゲームディレクターで、本作でも主にディレクションの仕事を手がけていて、作曲は1曲のみである。Nikkinen氏とPulkkinen氏はともにフィンランド出身のフリーランスの作曲家で、このうち特にPulkkinen氏はHousemarque作品には本作以前にもOutlandやResogunなど、たびたび楽曲を提供している。本作ではレトロフューチャリズム志向のハードSF的な世界観を表現するにあたって、楽曲はいずれもシンセウェイブ系の激しい電子音楽のものが揃っている。サウンドトラックは本編未使用のボーナストラックも含めて収録されている。

2番目のワールドであるクリスタル・マウンテンの道中で流れるのがこの曲である。ごつごつとした山肌に雪が積もる厳寒の地であり、その厳しさを象徴するかのごとく、この曲は激烈な疾走感にあふれている。無限の広がりと奥行きを見せるシンセサイザーの音色は、その美しいメロディーラインと溶け合うことで、騒がしくも煌びやかな雰囲気を漂わせていて、レトロスタイルでサイバーパンクな作風をよく反映している。清々しいほどの殲滅の爽快感を想起させる一曲である。

雪山のステージは厳しい寒さを表現して激しい曲調になるか、人里離れた寂寥感を表現して物静かな曲調になるかで二分されるような印象ですが、この曲はひたすら前者ですね。