スコーネックがおくるシューティング・サイヴァリアより、
関口美佐子作曲、2の『Eta』。5面で流れます。
敵機や敵弾にギリギリまで接近してわずかにかすることで自機をパワーアップさせるBUZZシステムで知られるサイヴァリアシリーズのナンバリング2作目として登場した本作。おなじみの専門用語が入り乱れるハードSFの世界観や、幾何学模様の美しい弾幕はそのままに、本作では、攻撃性能が高い代わりにBUZZによる恩恵がすくないシューティング重視タイプと、性能を逆転させたBUZZ重視タイプの二種類の機体から自機を選べるようになった。ステージは分岐なしの一本道で展開する全6面(開始直後の0面を含めれば7面か)構成で、4面以降は一定のレベルを取得しないと強制的にエンディングに移行するシビアな仕組みとなっている。後にドリームキャストやXbox、PS2に移植された。
本作の音楽を担当するのはORE808こと江川野誉至氏、WASi303こと佐藤哲郎氏、関口"Adjumy"美佐子氏、Emagickerこと吉野裕貴氏の四名。このうち江川野氏は本作のプロデューサー兼メインプログラマー兼デザイナーであり、ラスボス戦の作曲のみ担当している。また、吉野氏も未使用曲を除けば一曲のみの提供となっているため、前作同様、佐藤氏と関口氏が中心となって作曲をおこなっている。サイヴァリアサウンドの特徴であるブレイクビーツを多用したピアノによるトランスミュージックは本作でも健在で、いずれの楽曲もサイケデリックな浮遊感を味わえる仕上がりとなっている。サウンドトラックは未使用曲や人気曲のリミックスも収録したうえで発売されているほか、PS2版に付属されている特典DVDにも新規アレンジが3曲搭載されている。
エータ、それは霊子放出能力を持つ超有機型人工知能であり、自らを偉大なる神の使徒と名乗る存在である。そうした超常的な存在の名を冠したAREA 5で流れるのがこの曲である。冷たく透き通るピアノの音色が、テクノ的でトランス的でアンビエント的でもある独特な雰囲気を漂わせる。そこにさらに宇宙的な広がりを見せる電子音や、リズミカルに反復するパーカッションが絡み合うことで、ここよりも高次な別世界に誘われるようなトリップ感を醸し出す。まさにサイヴァリアサウンドの真骨頂とも言うべきエクスタシーに満ちあふれた一曲である。
シューティングは芸術ですよね。