米田克哉・渡辺達也・和田靖司作曲、『STAGE 2』（仮称）。2面で流れます。
スーパースターソルジャーの開発元として知られるカネコインターステイトが製作し、ナグザットが販売した本作。3年前に敵軍と交戦中にパートナーを失った元連邦宇宙軍所属の青年・ランディは、仇討ちのために最新機体・スラッシャーに乗り込んで単身で敵軍に挑むことになる。全6面＋最終ボス面から成る縦スクロールシューティングで、オープニングをはじめ要所要所にボイス付きのビジュアルシーンが挿入される点が特徴である。操作は8方向移動とショットのみ、道中にアイテムはあるがパワーアップの概念は存在しないなど、全体的な仕様は非常に簡潔である。一方でアイテム次第で、ミサイルやレーザー、ファンネル、シールドに至るまで、様々なサブウェポンを使いこなすことができる。敵の配置が巧妙で、耐久力や攻撃パターンも強気な調整が施されているなど、一筋縄ではいかない難易度を誇るが、しっかり覚えてうまく立ち回れば攻略可能なバランスを保っている。総じてコンパクトかつソリッドにまとまった仕上がりとなっている。後にサマーカーニバル向けにスコアアタックとタイムアタックを実装したスペシャル版が登場した。
本作の音楽を担当するのは米田克哉氏、渡辺達也氏、和田靖司氏。情報がすくないが、おそらくいずれも当時カネコに所属していた作曲家である。このうち米田氏は他二名とともに記載のあるスタッフロールに加え、オープニングの短縮版のクレジットにも単独で名前が載っているため、本作のメインコンポーザーであるものと推測される。本作ではSFもののシューティングらしいシャープなシンセ系のサウンドを中心に、CD音源を駆使した迫力のある楽曲が取り揃えられている。ギターやオルガンなどの豪快な音色はもちろん、なかにはピアノや笛を彷彿させる繊細な音色も取り入れている。サウンドトラックは未発売のため、曲名は便宜上の仮称とする。
2面で流れるのがこの曲である。ここでは隕石が降るなか宇宙空間を進み続け、徐々に惑星の陰に入ることになる。他の面と比べてステージ尺が短いが、一種独特な神秘を纏った曲のおかげもあって非常に映える。曲冒頭はまるでファンタジーのような煌びやかで秘密めいた響きがあるが、早くも3秒で重く力強いパーカッションが加わると、幻想的な聴き心地を維持しつつパワフルなノリをみせるようになる。23秒ではさらにボルテージを上げて精彩に富んだ音色を披露し、36秒からはシンセの主旋律がいっそう伸びやかに鳴り渡る。ぐんぐん盛り上がっていくなかでも第一印象の美麗さが掻き消えることはなく、伴奏ではほとんど常にオルゴールとハープを絡め合わせたような気品あふれるフレーズが刻まれる。47～49秒で一旦締めた後、次の1分46～50秒ではもう一押し、今度は長めに締め括って抜群の後味を残す。緻密にして豪胆な一曲である。
普通に進めてステージ尺は2分程度ですから、動画にあるアウトロ（3分17秒以降）は作中では聴けないおまけですね。とても心惹かれます。
