VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#1390 『SHRINE』(鈴木陽子・玉山文人・濱田やすゆき・益子重徳/バトルマニア大吟醸/MD)

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ビック東海がおくるシューティング・バトルマニアより、

鈴木陽子・玉山文人・濱田やすゆき・益子重徳作曲、大吟醸の『SHRINE』。

3面で流れます。

怪作として名高いバトルマニアの続編にあたる本作。前作の戦いからわずか3日後、死んだはずのモルグスティンが復活したことを受け、超A級トラブルシューターの大鳥居マニアは相棒の羽田マリアを置いて一足先に出撃することになる。全10面構成の縦横両スクロールシューティングで、ネタ三昧のパンチの効いた作風と、敷居が低く攻略の幅がある難易度設計はそのままに、本作では演出面や描画力を中心に強化されている。基本的なシステムは前作同様だが、本作では自機のショット方向を好みに応じて固定させるか8方向まで自由に切り替えるか選べるようになった。また、通常時は背中に装着する支援ユニットのプローブについて、自機に対して追尾・回転・反発のいずれかのフォーメーションを選択して、より自分好みの攻略法を試せるようになった。演出面ではラスタースクロールやぐりぐり動く多関節など技術的に光るものに加え、ステージ間のデモやアイキャッチなどビジュアル全般の見映えも向上している。相変わらずイロモノらしく突き抜けた愉快な仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは鈴木陽子氏、玉山文人氏、濱田やすゆき氏、益子重徳氏。当時、本作の開発に関わっていたグラフィックリサーチに所属していたサウンドスタッフである。スタッフロールでは本作のノリに合わせて鈴木氏は「すずきまにあ なんと たばこのみ」、玉山氏は「たまやまにあ ほっかいど おおざけのみ」、濱田氏は「ひゃくまにあ たいしょう パチスロごのみ」、益子氏は「ますこまにあ いまじゃぁ こどく の み」という変名義で表記されている。このうち玉山氏は前作でも効果音担当として、濱田氏はサウンドクリエイト担当(プログラマー)として携わった経験がある。本作の猪突猛進な作風を反映して、クールでロッキンでときどきペーソスが感じられる表現力豊かな楽曲が揃っている。サウンドトラックは未発売だが、作中のオプション画面でBGMを自由に再生することができ、曲名もそこで明かされている。

3面で流れるのがこの曲である。住宅街のど真ん中に聳え立つ暗殺教団の総本山たる鬼哭教神殿を舞台にしたステージで、背景には鶴の障子絵や巴紋が描かれた襖が映り、奥に進むと酒樽や仏像のようなものも登場する。そうしたシーンを彩るにあたって、はじめは音数を絞ってしんみり質素な印象を与えるが、3秒から早くも荒々しいギター風の音色が加わって急激に粗暴な雰囲気を纏うようになる。しかし荒々しくなったところで、例の質素な音色はどこ吹く風とリズミカルに反復し、21秒でメインメロディーが入っても変わらず後ろで鳴り響く。その徹底した様子から、和風ロックよりもさらに踏み込んで純和風ハードロックと評したくなるようなブレないノリを感じさせる。メインメロディーをはっきり認知できるのは21~38秒の限られた区間で、それ以外は質素な音色と粗暴なギターが似通ったフレーズを繰り返すだけだが、それでも褪せることのないインパクトを放ち続ける。オリエンタルかつバイオレントな一曲である。

鮮烈ですね。あと1面の『TWILIGHT EXPRESS』も外せないですね、これぞメガドラみたいなバリバリな曲です。あわせてどうぞ。

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