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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#336 『La Mer』(coba/幻想水滸伝IV/PS2)

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コナミがおくる戦記RPG幻想水滸伝より、

coba作曲、4の『La Mer』。オープニングの曲で、意味はフランス語で「海」。

中国の奇書・水滸伝を基に、108人の仲間たちとともに激しい戦を生き抜く幻水シリーズのナンバリング4作目にあたる本作。大海原に浮かぶ群島諸国を舞台に、ガイエン海上騎士団に所属する主人公は、数奇な運命の巡り合わせで宿してしまった罰の紋章を手に、やがて大きな戦争に巻き込まれることになる。1作目の150年前、すなわちシリーズ最古の時代が描かれていて、仲間になる108人のなかには、物語に深く関わるキャラもあまり関わらないキャラも含まれる。メインフィールドの海が広大な一方で、戦闘メンバーが4人に減ったこと、戦争パートにあたる海戦は砲撃と白兵戦の簡素なつくりとなっていることなど、全体的にスケール感がやや縮小した仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは木村雅彦氏、三浦憲和氏、山根ミチル氏。木村氏と山根氏は前作3から引き続きの担当で、三浦氏はシリーズ初参加である。いずれも当時コナミに所属していた作曲家である。また、オープニングのみ、ゲストコンポーザーとしてアコーディオン奏者のcoba氏が作曲および演奏を担当している。coba氏がゲーム音楽に携わるのは現時点では後にも先にも本作だけで、海を主題に据えた本作にふさわしい楽曲を提供している。サウンドトラックはオリジナル盤のほか、Rhapsodiaの楽曲も含めたアレンジ盤が存在する。

「La Mer」、フランス語でずばり「海」を意味するこの曲は、coba氏が手がけたくだんのオープニング曲である。ループしない仕様の一発勝負の曲で、アコーディオンアコースティックギターによって奏でられるフラメンコ調の情熱的な旋律が、青く澄み切った雄大な海の様子を生き生きと描写している。50秒あたりから始まるサビでは、哀愁を帯びたコーラスと軽快でリズミカルなカスタネットの音色が加わることで、あふれんばかりのパッションを蓄えていき、即興風の間奏を経て2分頃から再び反復されるリフレインは、鬱積した感傷をすべてまとめて解き放つような開放感に満ちている。冒険の幕開けを華麗に彩る、シックでエレガントな一曲である。

ふだんゲーム音楽に関わりのない方がこうして素敵な楽曲を提供してくれると、ジャンルの幅が広がっていいですよね。