VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#993 『Faraway』(松原健一/TRIGON/AC)

www.youtube.com

コナミがおくるシューティング・トライゴンより、

松原健一作曲、『Faraway』。1面と2面の道中で流れます。

コナミ製のアーケード用縦スクロールシューティングとして登場した本作。異星文明の侵略に対抗すべく、プラズマ波動兵器を搭載したスーパー戦闘機と無人補助戦闘ポッド・トライゴンで立ち向かうことになる。全9面×2周構成、ショットとボンバーはそれぞれ2種類あり、特定の敵を倒すことで自機を援護するオプションとしてトライゴンが出現する。ボンバーの内訳は、龍が雄叫びを上げながら敵を追尾するドラゴンレーザーと、前方に巨大なビームを放つライトニングソードで、いずれも非常に画面映えするエフェクトの派手さが特徴である。自機の当たり判定が異様に大きく、パワーアップ状況に応じて敵弾の量と速度が増していくランク制とも絡んで、慣れるまでシビアなプレイングを求められる仕上がりとなっている。後にアーケードアーカイブスの一環としてPS4とスイッチに移植され、当たり判定を小さくするなど痒い所に手が届く設定が追加された。

本作の音楽を担当するのは松原健一氏。スタッフロールにはSOUND EDITOR名義でK. MATSUBARAとK. YAMANE(山根清彦氏)と記載されているが、作曲に関しては松原氏が単独で手がけている。両名とも当時コナミおよび同社のサウンドチーム・コナミ矩形波倶楽部に所属していた作曲家である。本作の楽曲はグラフィック面のインパクトに負けず劣らずパワフルなサウンドが揃っていて、オーケストラヒットやスネアドラムを多用した迫力満点の音を堪能できる。サウンドトラックは本作単体では発売されていないが、他のコナミ作品と一緒にまとめて収録したもののなかに本作の音源が含まれる。

1面と2面で流れるのがこの曲である。道中曲は最終面を除き2面ごとに切り替わる仕組みで、この曲はそのトップバッターを務める。イントロから勇壮な旋律、重厚なベース、強烈なドラムが組み合わさり、パンチの効いた格好良さを印象付ける。16秒頃から主旋律が入るとますますダイナミックな勢いを増し、終始盛り上がり続けるなかでもとりわけ36秒~42秒あたりに力強さのピークを迎える。1分に満たぬ短さでループに突入するが、ループ後も凄まじい熱量が込められたノリの良さは健在で、臨場感あふれる音色を紡ぎ続ける。爆発的な力強さに満ちた一曲である。

この曲を聴きながらバンバン撃ってドラゴンレーザー放って弾と音に圧倒される感覚が心地良いです。こういう燃え滾る感じっていいですよね。