スクエニがおくるRPG・ファイナルファンタジーより、水田直志作曲、
13-2の『疾走』。AF300年のビルジ遺跡などにおけるフィールド兼戦闘曲。
FFシリーズのナンバリング13作目第2部にあたる本作。タイムトラベルをテーマに、前作の世界観を引き継ぎ、前作の主人公の妹を主役に、エンディング後の物語を描いている。美麗なグラフィックや爽快な戦闘システムはそのままに、寄り道要素の拡充により前作と比べて自由度が増している。シナリオは続編ありきの終わり方となっているが、実際に後に三部作完結編のライトニングリターンズが発売された。
本作の音楽を担当するのは鈴木光人氏、浜渦正志氏、水田直志氏の三名。このうち鈴木氏と水田氏は当時も現在もスクエニに所属している作曲家で、浜渦氏はスクエニ在籍時に前作の作曲を単独で手がけた後、本作発売時にはすでに退社していて、フリーの作曲家としての参加である。続編のLRでもこの三人体制で作曲することになる。前作では浜渦氏一人だったが、本作では新たに二人加わったことで、バラエティに富みつつ統一感のあるサウンドが収録されている。サウンドトラックはオリジナル版のほか、海外楽曲や新規リミックス楽曲を追加したPLUS版も発売されている。
AF300年、旧時代の居住区が残存するビルジ遺跡において、フィールドも戦闘も区別なく流れるのがこの曲である。本作のもう一人の主人公であるノエルのテーマ曲『ノエルのテーマ』をアップテンポでロックテイストにアレンジしたもので、そちらがしっとりとしたピアノ主体の甘美な曲であるのに対し、この曲はがらっと雰囲気を変えた、鋭く切れ味のある仕上がりとなっている。宝石のように散りばめられた流麗なピアノを背景に、血気盛んなエレキギターや躍動感あふれるバイオリンによる生き生きとした旋律が特徴で、まさしく「疾走」という題にふさわしい一曲である。
ストレートに格好良いですね。同じく水田さんによる『ノエルのテーマ』、あわせてどうぞ。