セガがおくる超音速騎士道アクション・ソニックと暗黒の騎士より、
瀬上純作曲・蓑部雄崇編曲、『MISTY LAKE』。
同名のステージで流れる曲で、主題歌『KNIGHT OF THE WIND』のアレンジ。
音速のハリネズミ・ソニックが超高速で縦横無尽にステージを駆け巡るソニックシリーズのうち、アラビアン・ナイトを原作とするソニックと秘密のリングに引き続き、実在の物語(アーサー王伝説)を基にしている本作。リモコンを剣に見立て、ヌンチャクを移動用に特化させることで、Wiiというハードの特性を活かした操作性となっている。人語を話す説教好きな聖剣カリバーンを手に、ときに叱責されながらも騎士道の精神に則って繰り広げられる剣戟アクションは、今までにないタイプの爽快感を生み出している。
本作の音楽を担当するのは瀬上純氏、蓑部雄崇氏、Richard Jacques氏などを中心とする複数の作曲家たち。主題歌は瀬上氏とJohnny Gioeli氏からなるハードロックバンド・Crush40が手がけている。本作では題材からして剣と魔法の中世ファンタジーの世界観が色濃く反映されているため、楽曲はいずれもソニックらしい疾走感あふれるギターサウンドに、幻想的なオーケストラサウンドが組み合わさったものとなっている。サウンドトラックはボーカル曲を集めたものとインストのものとで二種類発売されている。
霧の湖畔ミスティ・レイクは、ゲーム開始直後に訪れることになる最初のステージである。奥地には伝説の聖剣カリバーンが眠るこの神聖な地において流れるのが、主題歌『KNIGHT OF THE WIND』を大胆にアレンジしたこの曲である。エレキギターの熱く滴るような音色のかわりに、気品あふれる優雅なストリングスを主旋律に据えていて、その鮮やかで爽やかな音使いは、深く立ち込める濃霧をものともせず音速で走り抜けるソニックの姿をありありと想起させる。それでいてどことなく悲愴感漂う曲調は、これから始まる大冒険の幕開けを飾るにぴったりな出来栄えとなっている。
編曲の蓑部さんは弦アレンジ担当という立ち位置のようです。ヘヴィな主題歌から重量を差し引いて軽妙に仕上げているような印象を受けます。『KNIGHT OF THE WIND』、あわせてどうぞ。