VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#1210 『Funky Groove Makes U Hot!? ...for Options』(瀬上純/ソニックアドベンチャー/DC)

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セガがおくるハイスピード3Dアクション・ソニックより、

瀬上純作曲、『Funky Groove Makes U Hot!? ...for Options』。

オプション画面で流れます。

音速のハリネズミが爽快に走り回るゲーム性が特徴のソニックシリーズのうち、ドリームキャスト進出作にして初の3Dアクション作品である本作。今度のソニックは、突如現れた謎の液状生命体・カオスを利用してエッグマンランド建設を企むDr.エッグマンの野望を阻止すべく立ち上がることになる。グラフィックとステージの3D化、キャラボイスの導入、メインキャラ含めてのデザインの変更、ソニックやテイルズら6人の視点から紡がれる群像劇風のシナリオなど、従来のシリーズから大きく変わって遊びの幅や表現力が強化された。探索や情報収集をおこなうアドベンチャーフィールドと、アクションに特化したアクションステージに分かれていて、3Dになってもシリーズおなじみのスピード感は健在である。6人のキャラごとにゲームシステムが異なり、宝探しやピンボールといった多彩なミニゲームを楽しめるほか、チャオという不思議な生き物を育ててレースに出場させるという寄り道の育成要素も存在する。バグの多さやカメラワークの調整不足など、3Dデビュー作ゆえの粗はあるが、見た目も中身も刷新してシリーズの転換点となった意欲作に仕上っている。後に拡張版のDXがゲームキューブやPC向けに登場したほか、PS3Xbox360にHD移植された。

本作の音楽を担当するのは熊谷文恵氏、瀬津丸勝氏、瀬上純氏、床井健一氏。熊谷氏は当時、他は現在もセガに所属する作曲家である。このうち瀬上氏が本作のサウンドディレクターおよびリードコンポーザーを務めている。瀬津丸氏はソニック2から、瀬上氏はソニック3から、床井氏はソニックジャム(メガドライブ向け4作品をまとめたオムニバス)からシリーズの作曲に携わっていて、熊谷氏は初参戦のようである。本作では音楽面でも方向転換し、今まで以上に本格的なロックやメタルを取り入れたパワフルな楽曲が揃っている。また、主題歌をはじめとするボーカル曲も充実している。サウンドトラックについては、歌曲をまとめたボーカルミニアルバム、インスト曲をまとめた音楽CD、シリーズ20周年記念に登場したベスト盤などが存在する。

オプション画面で流れるのがこの曲である。オプション画面では各種設定の変更やデータの管理に加えて、作中のBGMやジングルを自由に鑑賞できるサウンドテストを楽しめる。そうしたなか、曲名通りのファンキーなグルーヴに満ちたギターとベースが分厚く響き合う。イントロの時点で非常にこってりとした重厚感があるが、18秒頃でサックスが加わると、その心揺さぶるような恍惚な旋律によってますます濃密な印象を与える。35秒でしばらくサックスが姿を消すと、その埋め合わせをするようにギターがエフェクターを利かせてぐわんぐわんと鳴り渡る。その後サックスが再加入し、また離脱してギターが活躍し、やがて1分半手前でループに至る。聴いているうちに体の芯が熱くなるような一曲である。

曲名がなんか可笑しいですね。この曲に限らず本作の曲名は、主題のあとに「...」で繋いで使用箇所を記載する形式で概ね統一されてますが、この曲は特に「...」前後で語調のギャップが激しくてシュールです。