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#1141 『Skyscraper Tokyo』(杉山圭一/Kunoichi-忍-/PS2)

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セガワウがおくる殺陣アクション・忍より、

杉山圭一作曲、Kunoichiの『Skyscraper Tokyo』。丸の内地上180mで流れます。

セガの忍者アクション・忍シリーズのうち、前年に登場したShinobiの後継作にあたる本作。前作から一年後を舞台に、怪生物・式神が活性化し、再び崩壊の危機に晒される東京で、政府の密命を受けたくノ一・緋花が戦うことになる。殺陣を繋げて敵を一気に殲滅することを軸にしたスピーディーなゲーム性はそのままに、本作では蹴りを中心に新技が追加されたほか、空中戦のアクション性が増した。落下死のリスクが高いステージ構造は相変わらずだが、リトライ可能なチェックポイントが一定数用意されるようになり、若干遊びやすさが向上した。また、キャラおよびクリーチャーデザインは、従来の和風な雰囲気から変わり全体的にSFらしさを重視している。高難度だが慣れれば独特な爽快感を味わえる仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは熊谷文恵氏、澤田朋伯氏、杉山圭一氏、瀬津丸勝氏、中川輝彦氏、蓑部雄崇氏。熊谷氏、杉山氏、蓑部氏は当時、他は現在もセガに所属している作曲家である。このうち澤田氏と杉山氏はシリーズ初参加だが、それ以外は前作での作曲経験がある。また、瀬津丸氏は引き続きサウンドディレクターを務めていて、担当分は少数に留まる。本作では和風からSF路線に転換したことから、楽曲もその影響を色濃く受けていて、サイバーな雰囲気のあるスタイリッシュなテクノやトランス系のサウンドが勢揃いしている。サウンドトラックについては、長らく音源化されてこなかったが、10年以上経ってから各種デジタルストアで配信された。

STAGE02「丸の内 地上180m」で流れるのがこの曲である。ビルの屋上を渡って式神を討滅するステージで、眼下には都市が広がる。高所でのスリリングな攻防を彩るにあたって、フレーズの反復が曲のほぼすべてを占める。リバースシンバルやベースギター、パーカッション、電子音などで構成されるシンプルで疾走感あふれる曲調が特徴的で、曲を通じて目立った変化はみせない。が、1分18秒から控えめな音量ながらもギターの新パートが加わり、以降も2分35秒でループに至るまでしばらく鳴り続ける。あえて起伏を乏しくすることで、曲全体を貫くスピード感をいっそう強く印象付けてくれる一曲である。

地上180mで丸の内というと丸ビルとかですかね。あのへんは高い建物が多いですよね。