桜庭統作曲、4の『Don't Be a Hero』。ファントム戦で流れます。
人類が宇宙へと進出したスペースオペラ風の世界観を土台とするスターオーシャンシリーズのうち、ナンバリング4作目にあたる本作。シリーズ中最古の時代である宇宙歴10年を舞台に、宇宙開拓の黎明期で奮闘する青年たちの活躍を描いている。宇宙船を自ら操作して複数の惑星を巡ることから、本作は今まで以上にSFらしさが前面に押し出されていて、過去作の1や2でおなじみの惑星も再登場する。戦闘面では敵の背後をつくサイトアウトや一時的にキャラを大幅に強化するラッシュモードなど、アクション性の強い特徴的なシステムが多く搭載されていて、フルリアルタイムバトルの面白さを追求した仕上がりとなっている。後に多言語に対応したインターナショナル版やPS3向けの移植版、PS4・PC向けのリマスター版が登場した。
本作の音楽を担当するのは桜庭統氏。トライエースと関わりの深い作曲家で、SOシリーズサウンドの生みの親でもあるおなじみの作曲家である。本作でも引き続き全曲単独で作曲していて、前述の通り再登場を果たした惑星では、過去作の楽曲をアレンジしたものを用いている。戦闘曲を中心に、相変わらず氏の十八番とも言えるプログレッシブでハイテンションな良曲が揃っていて、ますます磨きのかかったSFらしさをクールに彩ってくれる。サウンドトラックは氏のインタビュー映像付きで3枚組で登場したほか、氏自らが一部の楽曲をアレンジしたものも発売されている。
惑星エイオスにおけるファントム兵との脅威の8連戦をはじめ、それ以降もファントム兵と対峙する際の通常戦闘曲として流れるのがこの曲である。荒ぶるエレキギターと煌めくピアノの掛け合いが印象的な一曲で、全編を通して息もつかせぬ怒涛の勢いに飲み込まれんばかりの凄まじい疾走感を誇る。1分6秒あたりで一段落ついて階段を滑り降りるようなピアノのグリッサンドが奏でられると、そこからしばらく、宝石を散りばめたのような流麗な即興風の音色が響き渡り、20秒ほど後には唸るような雄叫びをあげるギターが、神秘的なコーラスを伴って力強く展開する。終始留まるところを知らぬ苛烈で激烈で強烈な一曲である。
曲名は直訳すると「英雄になるな」ですが、慣用句として「無茶するな」くらいの意味でしょうか。