庄司英徳作曲、2の『散るは刹那』。ラストバトルで流れます。
極道に生きる桐生一馬の伝説を描く龍が如くシリーズのうち、ナンバリング2作目にあたる本作。前作から1年後を舞台に、今度は東京の神室町だけでなく、大阪の蒼天堀をも巻き込む巨大な陰謀の渦中に身を投じることになる。東西の覇権争いをはじめ、復讐や仁義や恋愛など、重厚なシナリオを盛り上げる要素がふんだんに詰め込まれていて、より大胆に爽快になったアクション性と相まって、全体的に骨太な仕上がりとなっている。後に前作とあわせてPS3向けにリマスターした1&2 HD EDITIONが登場したほか、PS4向けにフルリメイクもされた。
本作の音楽を担当するのは泉谷隆洋氏、坂本英城氏、庄司英徳氏、日比野則彦氏の四名。庄司氏はセガに、泉谷氏と日比野氏は音楽制作会社ジェム・インパクト(現・日比野音療研究所)に、坂本氏はノイジークロークに所属している作曲家である。このうち前作から引き続き参加しているのは庄司氏のみであり、龍が如くサウンドの第一人者として、以降もシリーズに携わり続ける。また、リメイクでは本作の楽曲のアレンジに加え、カラオケ曲などを中心にいくつか新曲もある。サウンドトラックはリメイク前のものは1&2双方の音源を収録したものがあるが、リメイク後のものは今のところ限定盤に一部の楽曲を収録したミニサントラが付属されているのみである。
本作のラストバトル、郷田龍司との一騎打ちで流れるのがこの曲である。郷田龍司は関西をおさめる巨大組織である近江連合の五代目会長の一人息子であり、若いながらも連合直参の郷龍会の二代目会長として、関西の龍の異名を持つカリスマ的なリーダーである。堂島の龍として知られる桐生一馬と並んで、本物の龍を決めるべく最後の激闘に挑むことになるが、そうした白熱のシチュエーションを、張り詰めたピアノの音色が静かに彩る。その旋律は、あまりにも儚く、切なく、それでいて力強くもある、決然とした気迫に満ちたものであり、双龍の矜持を賭した命がけの戦いを見事に表現し切っている。
「そして本物の龍は、唯一孤高の伝説になる」という本作のキャッチコピー通りの曲ですね。極2では『散るは永遠の刹那』という題でアレンジされていますが、こちらも素晴らしい出来です。ストリングス成分が増して、より幻想的に、より哀愁漂う仕上がりとなっています。曲終盤の展開は圧巻の一言です。あわせてどうぞ。