VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#1173 『REIWA LABYRINTH』(庄司英徳/龍が如く7 光と闇の行方/PS4)

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セガがおくるドラマティックRPG龍が如く7より、

庄司英徳作曲、『REIWA LABYRINTH』。ミレニアムタワーで流れます。

ヤクザの世界を描く龍が如くシリーズのナンバリング7作目にあたる本作。荒川組の極道・春日一番は、組のために若頭の罪を代理で被って18年の服役を終えるも、出所後に訳も分からぬまま敬愛する組長に撃たれ、流れ着いた横浜・伊勢崎異人町でどん底から這い上がることになる。これまでの桐生一馬から変わって新主人公を採用したうえで、海外マフィアも割拠する異人町を新たな舞台とし、さらにジャンルをコマンド選択式でパーティ制のRPGに変更している。いわゆるジョブチェンジハローワークでの転職という扱いだったり、戦闘中にデリバリーヘルプで強力な助っ人を召喚できたりするなど、RPGの定番要素をアレンジしたパンチの利いたシステムが揃っている。一方で、裏社会特有の濃いメンツが織り成す骨太なストーリーや、会社経営をはじめとする充実した寄り道要素なども健在である。大幅な路線変更をおこなった意欲作として、ネタ方面でもシリアス方面でも気合が入った仕上がりとなっている。後にPS5、XboxOne、X|S、PC向けにインターナショナル版が発売された。

本作の音楽を担当するのは青木千紘氏、庄司英徳氏、高濱祐輔氏、田中智之氏、福田有理氏、吉田沙織氏、83key矢崎俊輔)氏、Hyd Lunch、ZENTA(土橋善太)氏。このうち青木氏、庄司氏、福田氏、吉田氏はセガに所属する作曲家である。83key氏とZENTA氏はフリーランス、Hyd Lunchは松崎泰之氏と渡辺博昭氏によるユニット、高濱氏は音楽制作会社ターゲット・エンタテインメントの代表、田中氏は音楽制作会社FIVE LEAF CLOVERの代表である。内部・外部コンポーザーともに概ねいつもの顔ぶれだが、高濱氏はシリーズ初参戦のようである。本作では従来通りの熱く激しいサウンドを中心に揃えられていて、カラオケ用のボーカル曲のほか、一部ゲームやドラマのパロディ曲が含まれる。サウンドトラックはしばらくカラオケ曲のみ収録のものしか存在しなかったが、発売から2年後にインスト曲含む正式なものが登場した。

ミレニアムタワーで流れるのがこの曲である。シリーズおなじみの超高層ビルで、本作のラストダンジョンである。最終決戦に向けて突き進むシーンを、イントロこそいやに静かだが、徐々に焦らしながら盛り上がっていく高純度のエレクトロニックサウンドで彩る。ノリやすい四つ打ちのビートを響かせてすこしずつ勢いを蓄え、40秒手前で一段と激しさを増すことでますます昂揚感を刺激する。1分9秒頃にはピアノと思しき音色が加わると、激しいなかにも幻想的な雰囲気を漂わせる。だいぶフレーズの反復に耳が慣れてきたところで、1分54秒で満を持して主旋律が入り、これまで以上に派手で強烈な電子音を轟かせる。全編を通して非常にけばけばしいながらも独特な悲壮感を滲ませた一曲である。

令和ラビリンス……凄まじい曲名ですね。ド派手で大好きです。