福山光晴作曲、5の『End of Rematch』。秋山駿にとってのラストバトルで流れます。
極道の生き様を描く龍が如くシリーズのナンバリング5作目にあたる本作。関西を束ねる極道組織・近江連合の七代目会長の危篤の報を受け、それまで保たれてきた東西の均衡が揺らぐなか、方々に散った男たちは、やがて一つの巨大な陰謀に巻き込まれることになる。東京、大阪、札幌、名古屋、福岡の5大都市を舞台に、シリーズ最多の5人の主人公(おなじみ桐生一馬に加え、アイドルを本気で志す澤村遥、金融会社の社長で遥の事務所に融資する秋山駿、極寒の地で脱獄と逃亡を繰り広げる冴島大河、落ちぶれた元プロ野球選手の品田辰雄)が登場する。恒例の喧嘩アクションはモーションから演出まで一から再構成、キャラ固有の必殺技・絶技が導入されたことで、より派手で人間離れした戦闘システムになった。アナザードラマやサブストーリーの充実ぶりも相まって、圧倒的なボリュームを誇る仕上がりとなっている。後にPS4向けにリマスターされた。
本作の音楽を担当するのは秋山暁子氏、磯崎剛氏、青木千紘氏、庄司英徳氏、福田有理氏、福山光晴氏、山路敦司氏、吉田沙織氏、a-fei氏、DIG氏、Hyd Lunch(松崎泰之氏と渡辺博昭氏によるユニット)、NEXT DESIGN(南俊介氏)、POP HOLIC(音楽制作会社の名前、メンバーの内訳は不確定だが佐藤五魚氏が関わっている模様)、SoundDrive(音楽制作会社の名前、メンバーの内訳は齋藤悠弥氏と田中潤也氏)、WALL5 Project(@2)こと渡辺篤弘氏、ZENTAこと土橋善太氏といった複数の作曲家たち。主題歌などのボーカル曲で氷室京介氏も参加している。作曲陣は相変わらずの大所帯で、曲数も豊富、戦闘曲は各主人公にそれぞれ割り当てられているなど、ゲームそのもののボリュームに見合ったメリハリのあるサウンドが揃っている。サウンドトラックはVol.1と2で分かれて発売されているほか、氷室氏の曲のみを集めたものも存在する。
最終部最終章、遥を除く4人の主人公がそれぞれラストバトルに臨むなか、3番手の秋山駿を操作して挑む、逢坂興業若頭・金井嘉門との戦闘で流れるのがこの曲である。金井は強面の巨漢で、秋山が一連の事件に関与するきっかけをつくった因縁の相手である。曲名に「Rematch」とある通り、すでに金井とは一度戦ったことがあるが、再戦かつ最終戦のシチュエーションを、重量感たっぷりなエレキギターで華麗に彩ってくれる。重苦しいイントロが明けた34秒頃からは、轟音の只中でピアノが美しく響き渡り、クライマックスらしい張り詰めた雰囲気を漂わせる。ラスボス戦の曲にしては尺が短めで、1分30秒手前でループに突入するが、うねるような激しい伴奏と相まって、凄まじい重厚感と緊迫感を表現した一曲である。
一度目の戦闘もエレキギター中心ですが、非常にノリの良いロックナンバーで、曲調はかなり異なります。『Dynamic & Magnificent』、こちらも同じく福山さんの作曲ですが、あわせてどうぞ。