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#1458 『Theme Of Bayonetta 2 - Tommorow Is Mine』(山口裕史/ベヨネッタ2/WiiU)

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プラチナゲームズがおくる∞クライマックスアクション・ベヨネッタより、

山口裕史作曲、Keeley Bumford歌唱、

2の『Theme Of Bayonetta 2 - Tommorow Is Mine』。通常戦闘で流れます。

蠱惑的な魔女の大胆な戦いぶりを描くベヨネッタシリーズのうち、ナンバリング2作目にあたる本作。前作の死闘から数か月後、パレードで賑わう街に突如現れた天使たちに対抗すべくベヨネッタは魔獣で応戦するも、暴走の果てに親友のジャンヌが身代わりとなって魂が魔界へと引きずり込まれてしまったことを受け、彼女を救うべく魔界への扉がある霊峰に向かうことになる。畳みかけるように展開する怒涛のドラマと、艶やかで刺激的なアクション性はそのままに、本作ではハードを移して手元のゲームパッドでの携帯プレイやタッチペン操作に対応するようになった。アクションの新要素として、前作ではトドメの演出としてのみ登場した大魔獣召喚のアンブラン・クライマックスが、魔力を溜めれば通常の戦闘でも使えるようになり、より気軽に苛烈で豪快な動きを繰り出せるようになった。武器の種類や、拷問器具を駆使したトーチャーアタックのラインナップも新調され、装いを新たに長髪から短髪へとイメージチェンジしたベヨネッタの一挙手一投足をたっぷり堪能することができる。メインストーリーのボリュームはコンパクトだが、各種収集要素やクリア後のサバイバルモードが充実しているほか、前作の移植版が丸ごと同梱される点も特筆に値する。総じて手触りも遊び応えも十分な仕上がりとなっている。後にスイッチに移植された。

本作の音楽を担当するのは五十嵐聡氏、泉谷隆洋氏、上田雅美氏、黒川仁美氏、近藤嶺氏、袖岡隆泰氏、田中直人氏、原田尚文氏、日比野則彦氏、山口裕史氏。このうち五十嵐氏、上田氏、袖岡氏は当時、黒川氏、田中氏、原田氏、山口氏は現在もプラチナゲームズに所属する作曲家である。泉谷氏と日比野氏は音楽制作会社ジェム・インパクトに、近藤氏は音楽制作会社T's MUSICに所属している。前作と作曲陣は概ね共通しているが、鈴木克崇氏(ジェム・インパクト)と丹羽映理納氏(元プラチナゲームズ)が抜けた代わりに、五十嵐氏、黒川氏、原田氏が新規に参加している。前作と同様にシーンごとに細かく曲が用意されていて、総曲数は180曲以上にものぼる。壮大で昂揚感あふれるオーケストラサウンドが多く取揃えられていて、進行状況に応じて曲調が変化する仕組みが取り入れられている。また、前作の『Fly Me To The Moon』に続き、本作でも往年の名曲として『Moon River』がアレンジ収録されている。サウンドトラックは5枚組で収録されている。

通常戦闘で流れるのがこの曲である。前作の『Theme Of Bayonetta - Mysterious Destiny』(作曲は同じで、唄はベルギー人ボーカリストのHelena Noguerra氏による)の系譜を継ぐ英語ボーカル曲で、今回はアメリカ出身のKeeley Bumford氏が歌っている。前作のテーマはアンニュイでコケティッシュな曲調だったが、こちらは冒頭からヴィヴィッドでスタイリッシュな雰囲気が前面に出ている。カラッと響くピアノとパーカッションの軽快な組み合わせに、艶めかしさと力強さを両立したキャッチーなボーカルが載ることで、新鮮なノリとムードをうまく醸し出している。26~30秒で曲名の副題である "Tommorow is mine" と歌い上げると、その直後に流れが変わってスリリングでダイナミックなメリハリをみせる。とりわけ44秒からのリズミカルなフレーズは快感に満ちていて、49~50秒で銃声の擬音を歌詞に織り込んで戦闘シーンを盛り上げてくれる。その後、58秒からはしばらく伸びやかで麗らかな歌声を披露するが、ループ間際の1分23秒には軽くつぶやいて瞬時に仕切り直す。大人の魅力と活力が詰まった一曲である。

この曲を紹介してほしいというリクエストをいただきました。聴いていると気分が上がりますね。前作の『Theme Of Bayonetta - Mysterious Destiny』もあわせてどうぞ。

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