谷岡久美作曲、EoTの『メインテーマ』。ワールドマップで流れます。
ファイナルファンタジーの流れを汲む外伝作であるクリスタルクロニクルシリーズのうち、4作目にあたる本作。DSとWiiのマルチプラットフォームで同時発売され、相互に通信してマルチプレイを楽しむことができる。前々作のリング・オブ・フェイトのゲーム性やシステムを概ね踏襲しているが、主人公は自分好みでキャラメイクできるようになっていて、クリスタル病とクリスタル・コアを巡る悠久の物語が展開される。全体的にシンプルに手堅くまとまった仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは谷岡久美氏。当時スクエニに所属していた作曲家で、シリーズにはすべて参加しているFFCCサウンドの生みの親である。本作でも全曲単独で作曲をおこなっていて、例に漏れず音楽の良さは折り紙付きである。優しくも切なく、シリアスだけどところどころ陽気な、シリーズ独自の作風にあわせて、本作の楽曲はいずれも温かみのある牧歌的なファンタジーサウンドが揃っている。特にラテン音楽の色合いが強く、タンゴやフォルクローレを彷彿させる曲調のものが多い。サウンドトラックはおまけのリミックス2曲含めて全曲しっかり収録されている。
本作のメインテーマにして、ワールドマップでも流れるのがこの曲である。笛とギターが織り成す叙情的なアンサンブルが印象的で、民族音楽のエッセンスを丸ごと凝縮したかのような独特な空気感が漂っている。どこか懐古的な、古代文明に思いを馳せるようなノスタルジアを醸しつつ、先へ先へと力強く突き進んでいく疾走感に満ちていて、冒険心を際限なくくすぐってくれる。捻りのない直球な曲名が表す通り、メインテーマとしての風格を見事に備えた一曲である。
良い躍動感ですね。