Falcom Sound Team jdk（宇仁菅孝宏・園田隼人）作曲、
閃の軌跡IIIの『スタートライン』。タイトル画面やイベントシーンで流れます。
英雄伝説の閃の軌跡シリーズのうち、ナンバリング3作目にして初のPS4作品として登場した本作。前作の内戦終結後、その活躍を見込まれて新設されたばかりの士官学校の教官に着任したリィン・シュバルツァーは、特科クラス・VII組の学生を率いて、水面下で暗躍する帝国との戦いに身を投じていく。主人公のリィン以外はメインキャラが一新されていて、新たに様々な事情を抱えた個性豊かな登場人物たちが紡ぐ物語は、陰謀の真相の核心へと迫る重厚な出来映えとなっている。戦闘システムは従来のリングコマンドからワンボタンで入力できるダイレクトコマンドに変更、巨大ロボを操る騎神戦も強化され、完結編に向けて全体的に順当にブラッシュアップされた意欲作に仕上がっている。後にスイッチにも移植された。
本作の音楽を担当するのはFalcom Sound Team jdkより宇仁菅孝宏氏と園田隼人氏、および外部コンポーザーより真我光生氏と神藤由東大氏の計四名。このうち真我氏を除く三人は閃の軌跡シリーズすべてに携わっているが、真我氏はシリーズ初参戦（ただし本作以前にも空の軌跡SC・3rdの移植版にて編曲を手がけている）となる本作を契機に、以降も本格的にシリーズサウンドを担うことになる。本作では新曲はもちろん、シナリオの繋がりを意識して過去作からのアレンジが流れる場面もすくなからず存在し、メリハリに富んだ種々様々な楽曲が揃っている。サウンドトラックは上巻と下巻、および両方を合体させた完全版が発売されている。
タイトル画面のほか、イベントシーンにおいて一連の事態が収拾した際などに流れるのがこの曲である。ギターの柔らかなイントロから始まり、ピアノのリズミカルな音色が希望あふれる前向きな旋律を奏でると、35秒あたりからストリングスが、1分手前からはブラスが、明るく朗らかな雰囲気を受け継いで伸び伸びとメロディーを紡いでいく。主旋律を担当する楽器が次々と変化しながらも、希望の灯を絶やすことなく終始ポジティブな印象を与え続けることで、これから始まる新たな物語への期待感を存分に募らせてくれる、そんな清々しさに満ちた一曲である。
新生活を始める人々のために前向きなこの曲を届けたい、というリクエストをいただきました。続編で完結作でもある4の真エンドでも満を持して流れていて、心機一転、一致団結して頑張るぞ、という気持ちを快く促してくれますね。なお、非公式の不確定情報によるとこれは宇仁菅さんの作曲だそうです。
