Askiisoftがおくる横スクロールアドベンチャー・OverPoweredより、
flashygoodness作曲、『Broken Elevator to Revelation』。ステージ曲として流れます。
死に覚え型のフリーゲーム・天国の塔で知られるAskiisoftが、三日間で開発した超短編2Dプラットフォーマーとして登場した本作。数多の冒険者たちが命を落としたという回廊に挑むことになった華奢な体型の主人公は、力を解放して真の英雄となるべく、罠だらけのダンジョンを攻略することになる。開始直後から初見殺しが絶えない純粋な死にゲーで、5分程度でクリア可能という短さながらも後半で劇的にゲーム性が変わるなど、あっさりしつつ遊び応えもある独特な魅力を持つ。どこかユーモラスな世界観と相まって、手強さと爽快感とがうまく両立したメリハリ豊かな仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのはflashygoodness氏。アメリカ出身のフリーランスの作曲家で、Askiisoft製の作品には天国の塔をはじめ軒並み携わっているおなじみのコンポーザーである。本作では音楽についても、ゲームと同様に72時間の限られた時間内につくられたもので、氏の得意とするエレクトロ・チップチューン系のサウンドが揃っている。サウンドトラックは短いジングルやボーナストラックも含めてBandcamp経由でデジタル配信されている。
本作のステージ曲として、ほぼ全編通して(ステージのなかでも開始直後などのいくつかのシーンでは無音だが、基本的にずっと)流れ続けるのがこの曲である。ダンジョン内には本来便利なエレベーターが存在するが、故障してしまっているがために主人公は自分の足で進み、殺意あふれる容赦ない仕掛けに翻弄されながら攻略していくことになる。この曲はそうした順風満帆とは言い難いシチュエーションを小気味よく彩る。不安を煽るような怪しげなイントロから始まり、20秒あたりから穏やかなギターの伴奏が加わると、落ち着いた印象を与えつつもスリリングな悲愴感を醸す。55秒頃からのサビでは、後ろのほうでシンフォニックなストリングスが響くことで、キャッチーな主旋律とともに神秘的なムードを生み出す。死を乗り越えてでも歩み続ける気持ちを後押ししてくれる、力強い使命感を帯びた一曲である。
Revelationは「天啓、啓示」といった意味で、エレベーターと語感が似ているという洒落も兼ねつつ、おそらくダンジョンの奥深くに眠る真の英雄の力のことを指しているのでしょう。本作はフリーで日本語対応もしていてさくっと遊べるので気になる方はぜひ。