8bit fanaticsとNicalisがおくる最凶即死アクションアドベンチャー・1001 Spikesより、
みそか作曲、『Antarctica』。World 7で流れます。
8bit fanaticsのXBLA向け即死系ジャンプアクション・Aban Hawkins & the 1000 SPIKESを基に、VVVVVVや洞窟物語の移植で知られるNicalisとタッグを組んでリメイクした本作。流れ者の仕事屋、アバン・ホーキンスは、冒険家の父が遭難したという南米のウカンパ遺跡に挑むことになる。8bit風のレトロなグラフィックのもと、1001もの残機を使ってトゲトゲで初見殺し満載の凶悪なダンジョンを攻略していく。横スクロールで進行するメインモードのほか、縦や固定画面で進行するモードも収録されていて、純粋な死に覚えアクションのみならずツボの奪い合いといった対戦要素(最大4人までのマルチプレイ可能)も含まれる。パロディや他のインディーゲームからのゲスト参戦などもすくなくなく、全編にわたって殺意と遊び心に満ちた仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのはみそか氏とRushJet1氏。みそか氏は個人の音楽制作サイト・PANSOUNDおよびPANICPUMPKINを運営するフリーの作曲家で、RushJet1ことTadd Nuznov氏はアメリカ出身の作曲家である。本作では原作のメインテーマを残しつつも、楽曲はほぼ一新されていて、いずれもグラフィックに見合った8bitサウンドで統一されている。有名どころのパロディに関しては音楽面でもそれと分かるように似せている。また、ステージ曲は次の面に行くために必要なカギを取得する前と後でテンポが変わる。サウンドトラックはRushJet1氏のBandcampで発売されているが、一部を除きVRC6音源でカバーされている。
World 7の通常時(カギを取得する前)で流れるのがこの曲である。凍てつく南極を舞台にしたステージ群で、足場は雪で崩れ落ちるし、上からも下からもトゲや氷柱が生えてくるし、氷を使ったギミックもある、冷酷無比な仕掛けの数々を、開始早々からキンキン響く高音で焦燥感たっぷりに印象付ける。30秒手前でようやく細雪のように降り注ぎ続けてきた高音が止むと、伸びやかな主旋律の裏で、伴奏の低音域がきめ細やかな音色を奏でる。勇ましく聴き心地の良いサビがしばらく続いたのち、54秒で再び高音パートが戻ると、1分7秒からは主旋律も負けじと高音を鳴らし、キャッチーさのなかに悲痛さを滲ませる。難局を乗り越えるための勇気と緊張感を与えてくるような一曲である。
元々そこそこアップテンポな曲ですが、カギを取得するとさらにテンポアップして、気分が昂揚する代わりに焦ってミスも誘発しそうな感じになります。『Antarctica (Key Version)』、あわせてどうぞ。