レアがおくるレースゲーム・Banjo Pilotより、
Robin Beanland・Jamie Hughes作曲、『Steamy Vents』（仮称）。
Steamy Ventsなどマグマ系のコースを中心に流れます。
バンジョーとカズーイシリーズを基に、飛行機を題材にした日本未発売のレースゲームにあたる本作。初期4人、解禁後は計9人のパイロットのうちから操作キャラを選び、1カップ4コースのグランプリを勝ち抜くことになる。カップは4種類、最後にボスステージが待ち構える構成で、通常のBottles GPとコースを逆走するGrunty GPに加え、4カップ連続・立て続けに16コース分挑むEndurance GP、競争相手が全員ジンジョー（非常にすばしっこい小動物）になるJinjo GPが収録されている。グランプリ以外には各コースに隠されたジグソーピースを集めるJiggy Challengeのほか、一般的なタイムトライアルや通信対戦要素なども完備している。飛行機と言いつつコースを外れると減速するなど、全体的な挙動は地上を走る自動車寄りで、やや大雑把な仕様が目立つが、シリーズおなじみのコースやキャラ、設定などをうまく落とし込んだ仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのはRobin Beanland氏とJamie Hughes氏。レアに所属する作曲家である。このうちHughes氏はバンジョーとカズーイシリーズには本作以前に（同じく日本未発売でGBA向けの）Grunty's Revengeで作曲したことがある。本作は開発経緯が少々特殊で、当初はディディーコングレーシングの後継作として企画されるも、レアがマイクロソフト傘下に加わったことで急遽バンジョーへと鞍替えしたとのことである。そのため楽曲のほとんどはディディーコングの世界観に合わせてつくったものをそのまま流用しているらしいが、元々サウンドの出来が手堅かったがゆえにミスマッチ感は最小限に留められている。サウンドトラックは一部Hughes氏のBandcampで音源が公開されているものの、全体としては未発売のため曲名は便宜上の仮称とする。
Hailfire Peaks、Grunty Industries、Steamy Ventsで流れるのがこの曲である。Hailfire Peaks（ホットアイス山）とGrunty Industries（グランティさんぎょう）はそれぞれ原作由来、Steamy Ventsは本作オリジナルのコースである。いずれもマグマがある場所を彩るにあたって、いかにも灼熱地帯を印象付けるアラビアンな音色が一際映える。24秒あたりで音階が下降して気の抜けたような独特な耳心地の良さを醸し、次いで34秒から口笛かナーイ（アラブの伝統的な葦笛）を思わせる音が主旋律を務める。笛と撥弦の音色がフレーズ終わりの大仰なシンバルと絡み合い、不思議と心躍るようなノリを生む一曲である。
以前DKRも火山コースを取り上げましたっけね。立ち位置的に後継曲でしょうか。ちなみにファイナルラップはテンポが上がってもっとてんてこまいな感じになります。あわせてどうぞ。
