カプコンがおくる探検×ハンティングRPG・モンハンエクスプロアより、
茅根美和子作曲、『深奥立ち塞ぐ』。島クエストの大ボス戦で流れます。
ハンティングアクションのモンスターハンターシリーズのうち、スマホアプリ向けのRPGとして登場した本作。突破不可能と謳われた裂界域への航路が発見されたことを受けて、ハンターである主人公は調査隊とともに断裂群島に眠る秘宝と凶悪なモンスターたちに立ち向かうことになる。ソロプレイでメインシナリオに沿って進む探検モード（島クエスト）と、最大4人までのマルチプレイができるイベントモードに分かれていて、操作は画面上の仮想パッドを使ってタッチやフリップといったシンプルな動作でおこなう。スマホゲームらしく短時間で遊ぶのを前提に、広大なフィールドでのエリア移動といった要素が簡略化されているが、肝となる装備集めや強化などは健在、クエスト攻略等に消費するスタミナの概念がない点が特徴である。現在はサービス終了済みである。
本作の音楽を担当するのは尾野寺真未氏、加藤あずさ氏、茅根美和子氏、牧野忠義氏。いずれもカプコンに所属する作曲家である（牧野氏はサービス開始当初は在籍していたが、現在は退社済み）。このうち牧野氏はポータブル2ndGから、茅根氏は4からモンハンシリーズに参加している。また、クエストクリア時や一部の大型モンスター戦などでは本家の楽曲が借用されている。シリーズおなじみのオーケストラと民族音楽が融合したサウンドを軸に、本作の楽曲はシタールやズルナ、カリンバなどを思わせる音色を用いたエスニック寄りの作風が色濃く反映されている。サウンドトラックは流用曲も含めて収録されている。
メインシナリオの探検モードでは古代文明が遺した秘宝を求めて複数の島を巡り、秘宝を獲得すると次の島に進めるようになる。そのくだんの秘宝を守る大ボスとの戦闘で流れるのがこの曲である。あとすこしで古の秘宝にありつけるシチュエーションを彩るにあたって、ざわめくような環境音のイントロで一気に神秘的な昂揚感を駆り立てる。炸裂せんばかりの勢いで奏でられる管弦楽器に、グロッケンシュピールを思わせる煌びやかな高音が響き合い、ところどころハープの高速な音階が寄り添うことで、獰猛でありながら幻想的でもある、激しくも美しいアンサンブルを紡ぐ。まるでオーケストラ全体が一つの打楽器のように猛烈に鳴動し、その裏で鉄琴がせわしなく震動する、その躍動感あふれる組み合わせが、恐るべき臨場感をもたらす一曲である。
音に気圧される感覚が凄まじいですね。
