VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#927 『無謀な賭け』(佐藤豪/0 day Attack on Earth/X360)

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ガルチがおくる全方位シューティング・0 day Attack on Earthより、

佐藤豪作曲、『無謀な賭け』。ニューヨークの最終面で流れます。

上記動画の14:32から。

XBLA向けのマルチプレイ対応のシューティングとして登場した本作。突如としてニューヨーク、東京、パリの上空に襲来した巨大な侵略者をめぐり、無防備だった人類はありあわせの戦力で地球の存亡を賭けた戦いに挑むことになる。実在の大都市を再現した3つのエリアで、それぞれ7日間(7ステージ)戦い、各ステージにて5分間の制限時間内にボスを全滅させることが目的である。DAY1~6は出現するボスが共通していて、じりじりと削り合うような消耗戦を繰り返すが、最後の一日となるDAY7では専用の大ボスが待ち構えている。最大4人までの協力プレイと、最大8人までの対戦プレイが可能で、仲間の救出など、ソロよりもマルチのほうがやや攻略の自由度が向上する。全体的に地味だが、眼下に迫る東京タワーや凱旋門など、リアル志向なグラフィックが印象的な仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは佐藤豪氏、林康氏、Emagicker(吉野裕貴)氏。フリーランスの作曲家たちで、佐藤氏は雷電シリーズなど、林氏はラジルギやカラスなど、Emagicker氏はサイヴァリアなど、いずれもシューティングのジャンルに馴染みのある顔ぶれである。地球の命運を決める激戦を彩るにあたって、本作では基本的にオーケストラ調のヒロイックな楽曲が揃っているが、一部エレキギターを利かせたバリバリのロックナンバーも含まれる。サウンドトラックは存在するが、DLCマップ用の追加曲は未収録である。

ニューヨーク最後の戦い「NEW YORK DAY7」で流れるのがこの曲である。突き刺すような重苦しい音程を奏でるピアノとストリングスから始まり、トランペットも交えて順当に勇ましさを増していくと思いきや、開始10秒過ぎ(上記動画の14:43あたり)で、それまでのオーケストラの印象を覆す、テクノ風の高純度な電子音のフレーズが入る。以降も電子音は小さめの音量で随伴するが、基本的にはオーケストラ主体で曲を牽引し、窒息しそうなほど濃厚な悲愴感と使命感を漂わせる。弦楽器と管楽器が表裏一体となって主旋律を務め、どこがサビかを特定しづらいくらい、休みなく激しい盛り上がりを維持し続ける。湾上付近に浮遊する要塞のような大ボスを相手に、果敢か命知らずか、いずれにしても退くことのできぬ状況で挑む様子を力強く表現した一曲である。

追い詰められた戦場の危機感のようなものが、曲からひしひしと伝わってくる気がします。何度聴いてもあの10秒過ぎのフレーズが抜群に冴えていて格好良いですね。