フランスパンがおくるシューティング・バイクバンディッツより、
並木学作曲、『Intense pressure』。ボス戦で流れます。
国内の同人サークル・フランスパンの初のオリジナル作品にあたる本作。4つ集めると願いが叶うと言われる秘宝・クルセイドを求めてバイク使いのカイリらが旅立つことになる。全5面構成の横スクロールシューティングで、世界観やキャラデザイン、ステージ背景に至るまで、ポップで色鮮やかな作風で統一されている。プレイアブルキャラは3人＋隠し1人、開始時に直線状のミサイルか追尾型のホーミングか、ボンバーはマニュアルかオートかを選択できる。各ステージには中ボスとボスが待ち構え、自機の体力や残機が多めに用意されている分、敵も相応に硬く、攻撃は弾幕系に近い密度を誇る。敵を素早く撃破するとハイテンションボーナスが発生して稼ぎやすくなることに加え、道中で取得したスターの数と形に応じてステージクリア時に得点が加算される。2人同時プレイに対応しているほか、通常のゲームモード以外にも訓練やリプレイなどが搭載されているなど、適度に遊びの幅が充実している。ファンシーな見た目と骨太なつくりを両立した仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのはpolygon prompt氏、さんたるること並木学氏、来兎氏。polygon prompt氏は沖縄出身のテクノミュージシャン、並木氏は当時音楽制作会社ベイシスケイプに所属しつつ同人方面でも活躍していた作曲家、来兎氏は当時フランスパンのメンバーとして本作の製作総指揮を務めていたサウンドクリエイターである。本作は来兎氏が以前手がけたウィザーズスターの後継作のような立ち位置であり、来兎氏はもちろんpolygon prompt氏もウィザーズスターから続投して作曲に参加している。本作ではテクノを中心に前のめりで上機嫌なサウンドが揃っていて、インスト曲のほかに片霧烈火氏が歌う主題歌も存在する。サウンドトラックには主題歌のフルバージョンや一部楽曲のアレンジも含めて収録されている。
ボス戦で流れるのがこの曲である。ボスはいずれもカラフルでコミカルな見た目だが、流れる曲はソリッドでシリアスなドラムンベースである。イントロ明けの3秒頃から緻密なリズムパターンを披露し出すと、派手な銃撃音やボイスを彷彿させる効果音を取り入れながらぐいぐい盛り上げていく。耳をつんざくような金属質の音色を軸に、オーケストラヒットやシンセなどをうまく組み合わせることで、徹頭徹尾ハードだが驚くほどエネルギッシュでバイタリティあふれる印象を生み出す。33秒あたりからしばらく開放感のある間奏が入り、ひたすら激しく刻まれるドラム捌きをたっぷり堪能させてくれる。疲れ知らずの勢いでどんどんテンションを蓄えていった後、1分2秒で雑踏のような音と声を挿入して再び聴き馴染みのあるメロディーに回帰する。曲名通り、強烈なプレッシャーが感じられる一曲である。
ノリと威圧感のバランスがとても良いですね。サントラにはpolygon promptさんによるアレンジがあって、そちらは静と動のメリハリが素敵です。あわせてどうぞ。
