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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#1123 『アイ (Stage 3) -Arrange-』(工藤吉三/怒首領蜂最大往生/X360)

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ケイブがおくる縦スクロールシューティング・怒首領蜂より、

並木学作曲・工藤吉三編曲、移植版の最大往生の『アイ (Stage 3) -Arrange-』。

NEW Xbox 360 MODEの3面で流れます。

美しく凄絶な弾幕が特徴の怒首領蜂シリーズのうち、最大往生のXbox360移植版にあたる本作。人類のために開発されたエレメントドール・桜夜は、同じくエレメントドールで姉妹のように育った陽菜が暴走したことをきっかけに、袂を分かって相争うことになる。アーケード版の原作をHD化したモードに加えて、大量のボイス付きで新キャラと新ストーリーをフィーチャーした専用モードが追加された。前者は原作同様のシステムを受け継いでいるが、後者は残機制に代わってマルチエネルギーゲージ制を導入していて、ゲージは被弾やボム使用で減るが、アイテム(特にパワーアップ状態のハイパー発動中は敵に攻撃を当てれば必ず出る)で回復できる。そのほか、敵弾を減らして難易度を緩和したNoviceモードも存在する。不具合などやや粗削りな部分はあるが、いろいろ詰め込んだ意欲作に仕上がっている。

本作の音楽を担当するのは大久保潤氏、工藤吉三氏、武井侑渡、千葉梓氏。千葉氏は当時、工藤氏は現在も音楽制作会社ベイシスケイプに所属する作曲家である。大久保氏と武井氏はそれぞれ1曲ずつの提供に留まっている。原作の作曲は元ベイシスケイプ並木学氏によるもので、本作ではフルアレンジされている。原作にあったセンスのあるEDM系の洒落た曲調を継承しつつ、より派手でスピーディーな編曲が施されている。サウンドトラックは限定盤に付属されている。

Xbox 360 MODEの3面で流れるのがこの曲である。涼やかで近未来的な雰囲気のある都市部の水源地帯が舞台のステージで、原曲『アイ (Stage 3)』の浮遊感あふれるトランスと比べて、リズムを強めに主張することで煌びやかさが増している。25秒頃のよく目立つチャイムの音色や、1分8秒から派手に鳴り響くエレキギターなど、原曲にはない特徴的な追加パートがふんだんに取り入れられている。また、1分35秒以降は大往生の3面『凄舞』(同じく並木氏の作曲)で聴き馴染みのあるフレーズを踏襲していて、アレンジならではの見せ場を違和感なく盛り込んでいる。夢見心地の神秘を漂わせる原曲と比較して、より激しく、より華やかな、それでいて変わらず美しい一曲である。

原曲の雰囲気を保ちつつ、でも一味違う聴き応えがある秀逸なアレンジですね。原曲と『凄舞』(1分あたりから始まるフレーズがこの曲と共通してます)、あわせてどうぞ。

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