VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#998 『MENU SCREEN』(中西哲一/レイジレーサー/PS)

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ナムコがおくる3Dレーシング・レイジレーサーより、

中西哲一作曲、『MENU SCREEN』。メニュー画面で流れます。

リッジレーサーシリーズのコンシューマー版3作目にあたる本作。独米仏伊の架空の4つのメーカーからマシンを選択し、4つのコースを走り抜けることになる。シリーズおなじみのメーカーやグランプリモードといった基本概念が初登場したのが本作で、スタンダードなレイアウトのものだけでなく、急傾斜の坂道があったり、狭い道幅でカーブが多かったりするなど、個性的なコースが揃っている。カラッとした作風の前作までとは異なり、リアル寄りのシックなデザインに転向していて、上り坂での失速やドリフトの減速率のシビアさをはじめ、旧来とは一線を画する操作感が特徴である。コースごとに車種を変えるという遊び方が確立し、以降のシリーズの基礎となる要素を築き上げた意欲作に仕上がっている。

本作の音楽を担当するのは大久保博氏と中西哲一氏。いずれもナムコ(現バンダイナムコ)に所属する作曲家である。大久保氏はリッジレーサーレボリューション(CS移植の際の追加曲のみ担当)からシリーズに参加している一方で、中西氏は初参戦で、それまでシリーズサウンドを手がけてきた細江慎治氏、佐宗綾子氏、佐野信義氏らと交代する形で本作以降の作品に連綿と携わることになる。本作ではテクノやフュージョン系の音楽性から、デジロックやインダストリアル系の路線(曰く「大人の不良のノリ」)にシフトしていて、前作から変化した作風ともよくマッチしている。サウンドトラックには現代的なクラブミュージック風のアレンジ音源(Reactive Remix)と、できるだけ当時の音を再現したリミックス音源(Remind Remix)が収録されているが、事情によりインゲームで使用された原曲は未収録である。

マシンの選択・購入・カスタマイズ、コースの選択などをおこなうメニュー画面で流れるのがこの曲である。荒々しく響くギターリフが印象的なノイズロックで、5秒や11秒など、4小節ごとに定期的に挿入される救急車のサイレンのような音色が興を添える。24秒あたりで短いボイスが入ると、それまでのフレーズの反復から脱し、ギターの代わりにシンセが目立つようになる。50秒で早くもループするが、終始勢いたっぷりに奏でられるソリッドかつスピーディーな曲調が、尺の短さをものともしない中毒性を生み出す。淡々としつつも耳に残るようなキャッチーさに満ちた一曲である。

ものすごく格好良いですよね。江口孝宏さんによるReactive Remixは結構大胆にアヴァンギャルドな編曲を施したもの、佐宗さんによるRemind Remixは原曲寄りですが音の響き方など(特にサイレンが顕著)に違いがある感じです。あとせっかくなのでレース曲からも好きな曲を紹介させてください、イントロから飛ばしまくるボイスがインパクト大の、大久保さん作曲の『MATHEMABEAT』がイチ押しです。あわせてどうぞ。

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